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感謝を強要…車いす女性がアプリで出会った“サイテーなDV男”の正体

障害者女性の交際相手がDVをするケースは多い」と、視覚障害者によるテープ起こし事業・ブラインドライターズ代表の和久井香菜子さんは話します。今回紹介するのは、事故により脊髄損傷を負い、車いすユーザーとなった女性Aさん(20代・事務員)の体験です(以下、和久井さんの寄稿)。
車椅子

※画像はイメージです(以下、同じ)

「タイプじゃないけど…」バツイチ男性と交際スタート

 Aさんは腕を動かすことはできるけれど、指は動かすことができず、細かい作業が難しい状態。そうした障害の重さからあえて恋人を作らなかったのですが、やはり一人は寂しくなり、勇気を出して恋活アプリに登録したそうです。  恋人の条件は、「障害は別として、人として対等に付き合える優しい人」。容姿も本当は気にしたいところだけど、障害をもつ自分がそんな高望みをしてはいけないと思ったといいます。やがて、Aさんの思いに共感してくれた戸建て住宅に住むバツイチの男性(40代・福祉施設勤務)と付き合うことになりました。 「彼は私の身体のことはもちろん、将来を見据えて、家をどう改修したら一緒に住めるかも真剣に考えてくれました。服装も顔も好みではなかったけれど、『私のような重度障害者が、えり好みをしては出会える可能性が低い』と交際を始めたんです」  ところがそれが、恐ろしい結果を招くことに……。

だんだん気付き始める彼とのズレ

nayami 数か月は順調だったものの、お互いを知るにつれ、共通の趣味もまったくなく、Aさんは彼のこだわりにもついていけなかったそう。彼の友人への振る舞いも偉そうで、だんだんと「優しい」という印象が変わってきたのです。そんななか気になりだしたのが「自分のやれることまで奪うこと」でした。 「例えばペットボトルのフタを開けるとか、時間をかければ一人でできることもあります。でも『遅いから』と何でも先回りされちゃうんです」  Aさんも最初はありがたいと思っていたけれど、行き過ぎたサポートにだんだん『何もできない』と言われている気がするようになったといいます。 「障害を持つ私を『世話してやってる俺は偉い』という気持ちが見えるというか……。私がそう受け取っているだけかもしれないけど、苦しくなっていったんです。感謝なんてできなくて、お礼の言葉も言えませんでした」
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遂にブチギレた彼。「優しさ」はどこへ?
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