どこからが“毒親”?「あなたのために」が子供の毒になることも
こんにちは、恋愛ジャーナリストのおおしまりえです。
血が繋がっていようと、親子関係は難しい。常々思うことですが、最近親子の問題がよく注目される気がします。少し前ですが、ドラマ『私の家政夫ナギサさん(TBS系列)』では、母と娘のちょっと歪んだ関係性が物語のベースとなっていました。
またここ数年「毒親」といった、子どもにとって毒となる親の育児や接し方が漫画や記事になることも増え、その言葉が浸透することとなりました。
かくいう筆者も30歳までは親との関係に葛藤を抱え、取り除くために心理学を学んだりカウンセリングに通い、その根深さを痛感しています。同時に周りの20代30代男女に親との関係について聞くと、「絶縁というほどではないけれど、親との関係に悩む人」は多いようです。
例えばある30歳の女性は、親が過度な心配性で、自分がしっかりするのがシンドイと漏らします。はたまた35歳の男性は、感情的な母がどうにも苦手で帰省が億劫だと話します。意外なところでは、親からお金の無心をされた経験がある人も数名いて、理由はそれぞれですが、虐待スレスレの関係性を感じることもありました。
程度は違えど、親との問題を抱えていない人の方が少ない気がしてくる今回のテーマについて、母娘*謎解きカウンセラーの高橋リエさんに話を聞きました。高橋さんは、“毒親”に育てられた、また自身も毒親になってしまった経験があるそうで、現在「心理相談所 成城カウンセリングサロン」を運営しています。
※毒親=米国のスーザン・フォワード(医療関係のコンサルタント、グループ・セラピスト)が作って1989年の著書で使った言葉。学術的な定義はない。
「そもそも毒親の定義は、子どもに何かしたら『毒親』ではないですからね」(髙橋さん。以下同)
今回話を聞く上で、改めて毒親の定義を教えてもらうと、毒親は行為で判断すべきものではないという回答が。一体どういうことでしょう。
「毒親かどうかの判断の基準は、子どもがどう感じているかです。『子どもがどれだけ我慢してきたか』の大きさで、相手が毒親かどうかを判断します。世の中では毒親=暴力やネグレクトなど、いわゆる虐待行為をする親というイメージですが、毒親のほとんどは判断が難しいレベルの親です。子どもが親の行為を負担だと感じていたら、それは毒親といえるのです」