小関裕太が町医者役に「今まで観たことのない自分を、監督に引き出された」
子役時代より活動し、近年では主演を務めたドラマ&映画『わたしに××しなさい!』や連続テレビ小説『半分、青い。』、映画『覆面系ノイズ』『春待つ僕ら』などで印象を残している俳優の小関裕太さん。現在、出演作の、松本穂香さん主演映画『みをつくし料理帖』が公開中です。
ヒロインの澪を優しく支える町医者の永田源斉を演じた小関さんに、役柄との共通点や、現場での思い出を伺うとともに、ダンス、ギター、写真、乗馬など多くの趣味を持ち、いつも明るくポジティブな小関さんの素顔を探りました。
――ステキな時代劇でした。源斉先生と小関さんの人柄に共通点はありますか?
小関裕太さん(以下、小関)「源斉先生は、優しさと強い意志を兼ね備えていて、人から求められながら天狗にならない。もし恋敵にでもなったら勝てないと思います。自分と似ているかというより憧れの存在で、同年代にはいて欲しくないです(笑)」
――イメージ的には源斉先生も小関さんも、爽やかな雰囲気が重なりますが。
小関「えー! そうですか? えへへ(照)。ありがとうございます。源斉先生を演じさせていただくにあたって、自分のいいところも乗せていきたいという思いはありましたけど、今回は自分で作り込んでいったものよりも、角川(春樹)監督からいただいたものが映画のなかで強く出ていたので、自分でありながら自分じゃないという思いで作品を観ました」
――監督からはどんな指示や演出があったのですか?
小関「『違う、違う』とずっと言われてました(笑)。でも何が違うのか分からなくて、『僕はこう思ってるんですが……』とお伝えしたりして、結構現場でも時間を取ってしまいました。ですが、スクリーンで観たときに、『そうか、監督はこういうことを言いたかったのか』と分かったんです」
――というと?
小関「言葉や思い、情景への理解といったものは合っていると監督もおっしゃっていたんです。ただ、“生きるスピード感”が違ったんです」
――生きるスピード感!
小関「そうなんです。言葉を発するスピードや、源斉先生が過ごしている時間の重さみたいなものが、僕が考えていたものは少し速かったみたいで。監督からの演出を受けて、スクリーンで観たときに、今まで観たことのない自分だと思いました。それを引き出してくださっていたんだなと。今回、現場で一番印象に残っている言葉は『違う』です(笑)。とても有難いことでした」
源斉先生は同年代にはいてほしくないタイプ(笑)
“生きるスピード感”が違った時代劇
『みをつくし料理帖』オフィシャルサイト