辛酸「
私が誰かと比べてしまったときの対処法は、『いま比べちゃったな』と自分で気づくことくらいですかね。『気づけただけで良かったな』と。たぶん10代とか20代のときは無意識のうちに激しく比べていたものが、今は『比べちゃった』と反省するくらいになれたと。もっと進めば比べなくなるのかな」
玉置「“気づく”というのはとても大切です。それで8割完了といってもいいくらい。ただ、気づいて止まるなら苦労はいらないですよね。気がついて止めようと思っても、また気がつくと比べてしまう。
大切なのは、比べていると気がついたら、そこで思考をストップして“流す”ことです。
私たちは思考をチェーンのように繋げていくクセがあります。『あの人のほうがいいブラウスを着ているな。どこで買ったんだろう。いくらするんだろう。いいな、このままだと私は負けちゃう』と。
比べてると気づいたら、そこで止めて、流す。
また出てきたら、また気づいて止めて、流す。これは練習するしかありません。繰り返しやっていると、だんだん止めて流せるようになってくる。もっと行くと、比べるという気持ちが起こる前に気がつくようになる」
辛酸「言語化される前のもやっとした気持ちの時点で抑えるのでしょうか」
玉置「これができるようになったのがお釈迦様です」
辛酸「お釈迦様……。それくらいにならないとダメなんですね(苦笑)」