Entertainment

『恋あた』共演3度目の森七菜&仲野太賀の相性にほっこり

 森七菜が終始ハツラツと躍動し、中村倫也の端麗な仏頂面がときおり微笑みに溶ける。石橋静河は秘めた感情をじりじりと表に出し、仲野太賀は言葉や心情よりも大胆な動きに思いが随伴する。
(画像:『この恋あたためますか』TBS公式サイトより)

(画像:『この恋あたためますか』TBS公式サイトより)

 4者4様のキャラクターが描かれながら、その“静”と“動”のコントラストに何度もハッとさせられる火曜ドラマ『この恋あたためますか』(TBS系列/毎週火曜10時~)。  第4話までを終えて、それぞれの登場人物たちの過去の関係性や現職に至るまでの経緯、からみ合う恋心などが徐々に明らかになってきた。ハマり役しかいない役者陣の好演や、「選ばれなかった人たちの物語」というここまでの主題に焦点をあてながらお話を振り返っていきます。

替えが可能な“選ばれなかった人たち”の物語

「手前だけどんどん売れ残っていって、最後には期限が切れて捨てられる。後ろには新しいのが控えてて、代わりなんていくらでもある」  第1話で森七菜演じる井上樹木はそう悲観して言葉を発する。コンビニの商品は古いものを前に置くけれど、そのことを客は知っているから後ろばかり取られていってしまう。結果的に古いものはどんどん売れ残っていき、最終的には捨てられる……。
 それは初回放送の冒頭で樹木による長い独白が伝えるように、樹木の人生そのものだった。地下アイドルをやっていたが自分だけ人気が出ず、21歳になった樹木の前にフレッシュな新メンバーが現れ、瞬く間にセンターをかっさらっていった。半ばクビのような形で樹木が卒業すると、グループはアリーナ公演をするようなトップアイドルへと成長していく。  樹木はいつまでも選ばれることがなく、代わりはいくらでもいるという現実を最も辛い形で突きつけられてしまった。事あるごとに「私なんて……」と発してしまう、そんな自信のない主人公が、しかしある日突然「君が必要だ」と選ばれるのが『恋あた』の描くシンデレラストーリーである。  何度か見たことがあるようなベタなドラマ展開ではあるものの、面白いのは樹木以外の登場人物たちもみんな「選ばれなかった側の人たち」ばかりである点だ。

浅羽が樹木を選んだのは、自身との境遇の一致からか

 味覚が鋭くスイーツ評に長けている樹木をコンビニチェーン「ココエブリィ」の商品開発部に招いた社長・浅羽拓実(中村倫也)。才能はあるにしてもド素人であった樹木を大抜擢したのには、彼自身の“代替可能”な存在感が強く影響を及ぼしているのだろう。  外資系の大企業からの出向という形で業績が低迷しているコンビニチェーンの改革を託された浅羽は、彼の同僚が嫌みたらしく指摘するようにほとんど左遷に近い状況だった。専務の神子(山本耕史)からは敵視され、浅羽の上司である都築(利重剛)からもうまく利用されているような雰囲気がある。
 代替可能なのは浅羽だけでなく、第1話では商品部スイーツ課の課長・一岡智子(市川実日子)が急な異動を告げられたり、それによって今まで課内での発言権が薄かった北川里保(石橋静河)に商品開発のチャンスがまわってきたり、どんどん役割が入れ替わっていくのが『恋あた』前半のハイライトだった。  そんな彼らがスイーツ開発のなかで徐々に選ばれたり、あるいは選ばれなかったりするもどかしさを抱えながら、徐々に「恋する人への思い」も熱くたぎらせていく様が描かれていく。
次のページ 
森七菜と仲野太賀の恋
1
2
Cxense Recommend widget


あなたにおすすめ