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人気BLドラマ「チェリまほ」に原作漫画ファンもグッときまくったワケ

ダダもれしていく黒沢の心の声

 安達が「モテオブモテ」「同期であることと性別以外は共通点ゼロ」だとばかり思っていたパーフェクトエリートの黒沢。実は意外にも努力家でそれなりに悩みもある、普通の男である一面も持っています。  とはいえ、普段の生活の中で黒沢はそんなことは億尾にも出しません。仕事がデキるイケメンとして如才(じょさい)なく振舞い、自分でもボロが出ているなんて一切思っていません……安達に心を読まれてさえいなければ。
 黒沢が脳内で考えていることは、安達が触れたら最後、すべてダダもれです。安達への恋心も、煩悩も、後輩の六角(草川拓弥)や藤崎(佐藤玲)への嫉妬心も。  黒沢の饒舌かつ暴走気味な心の声は、普段の彼との凄まじいギャップを生み出し安達を混乱させます。しかしながら、その気持ちに安達もドキドキし始めてしまっていることも事実。そう、この一方通行な心のやりとりや表情に、見ているこっちは思わずキュンとしてしまうのです!  特に個人的に推せるのが、安達が触れていないけれど何かしら思うところがある時の黒沢の表情。特に6話のたこ焼きパーティーでは、六角に対して確実にジェラシーを燃やしてるのに表に出そうせず頑張っているという絶妙な顔つきがツボに入りました。ここ、演じる町田啓太の演技力が感じられる部分でもあって非常に面白いです。

もう一人の魔法使いの恋

 このドラマには主人公とは別に、もう一人の魔法使いが登場します。安達の大学時代からの友人であり小説家、そして安達と同様に童貞である柘植将人(浅香航大)。  少々偏屈でやはり陰キャ系の彼もまた、30歳で人の心が読める魔法を手に入れました。ある日、パッと見が完全にパリピである宅配員の綿矢湊(ゆうたろう)に荷物の受け渡しで触れたことで、人生が激変。綿矢の優しい心根にときめいて、自分より遥かに年下の若い男子に恋心を抱いてしまったのです。  こちらは安達と黒沢の物語とは別枠で進んでいるため、柘植の恋心はゆっくりゆっくり加速中。綿矢に会いたいがために大量の宅配を頼んでしまうなど、柘植が自身の感情を否定しながらも恋にハマっていく様がなんとも愛おしいのです。  6話では安達の後輩の六角が綿矢と大学時代のサークル仲間だったような描写が出てきました。もしかしたら、こちらの話が本編とつながる瞬間が今後あるのかもしれませんね。  7話では、ついに黒沢が安達に想いを告白。安達はどう受け止めるのか。さらに柘植と綿矢の関係はどうなっていくのか。実はこのドラマ、全何話なのかが明言されておらず、原作のどこまでを描いてくれるのか気になるところなのですが……。2人の魔法使いの恋模様、ラストまでしっかり見届けたいと思います! <文/もちづき千代子> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
もちづき千代子
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama
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