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アメリカ人の変な日本食好み「生魚は嫌だけど寿司好き」や砂糖入り緑茶も

 海外に住んでいると、現地の人が考える日本文化、特に食文化への理解について、ちょっとしたズレを感じることがあります。  テリヤキは中華料理と訴えて譲らない人や、カリフォルニアロールこそが純ジャパニーズ寿司と思い込んでいる人、日本酒は必ずレンジで温めてから飲まねばならないと信じて疑わない人、など。 海外の日本食イメージ そこで今日は、在米女性たちに、アメリカで経験した“日本食への誤解あるあるエピソード”を聞いてみました。

「生魚は食べられないけどお寿司大好き!」のナゾ

 世界中で大人気、アメリカでも市民権を得ている“お寿司”には、日本人にとって「ちょっと違うんだけどな」と首をかしげてしまうエピソードが満載です。 「私が働いていたお店は、日本で修行を積んだ日本人の寿司職人の方もいて、ネタも厳選して仕入れていました。でも、人気があったのは新鮮なネタを乗せた握り寿司よりも、天ぷらを巻いた巻き寿司。生のお魚を一切使わないお寿司を注文されるお客様が多かったですね」  そう話すのは、現地の寿司屋で働いていた経験を持つ主婦(37)。アメリカ人で寿司好きを公言する人の中には、まったく魚を食べないベジタリアンや、生魚と聞いて眉をひそめる人も少なくないといいます。 「当時、うちで一番人気のあったメニューは、スイートポテトロール。パンみたいな名前ですが、これは細切りにしたサツマイモのフライを何本か入れて巻いたお寿司。最初は私もギョッとしましたが、日本のお寿司とは別ものと考えれば、案外美味しくいただけました」 カリフォルニアロール 巻き寿司 確かに有名なカリフォルニアロールの中身も、カニカマ、アボカド、きゅうり、と生魚を使っていません。かつて、生魚や海苔に馴染みのない人に向けて、調理済みのネタだけを使い、海苔を酢飯の内側に巻き込んで作られたのが、このカリフォルニアロール。  どうやら、何年経っても大半のアメリカ人のお寿司に対するマインドは変わらず。真っ黒な海苔に苦手意識を持つ人は多く、ピンクやオレンジ、緑など、カラフルな大豆でできたソイシートを使った巻き寿司が人気で、調理したネタを使った豪華絢爛な見た目の巻き寿司が好きなのです。  ソフトシェルクラブの天ぷらを巻いたスパイダー(蜘蛛)ロール、カニカマやエビの天ぷらをきゅうりと一緒に巻いたドラゴン(龍)ロール、海苔の代わりにアボカドで外側を巻いたキャタピラ(毛虫)ロールなど。  アメリカの寿司屋には、名称だけではあまり食欲が沸かないような巻き寿司のメニューが並びます。
ドラゴンロール 寿司

ドラゴンロール

こんなのお茶じゃない!在米女性を悩ます砂糖入り緑茶

 話を聞いた在米女性たちが口を揃えて言ったのが、アメリカ人が緑茶に砂糖を入れる感覚の不可思議さ、でした。 「アメリカに来て間もない頃、レストランでアイスグリーンティーを頼んだら、砂糖がたっぷり入ったお茶が出てきたことがありました。慣れ親しんだ緑茶だと思って飲むと、どうしても脳が拒否して飲み干すことができず、『これはアップルジュースだ』と自分に言い聞かせて無理して飲みました」 と、甘くて苦い経験を語るのは、日本のお茶が大好きという会社勤務の女性(42)。アメリカにも緑茶のティーパックなどが売っていますが、それらのお茶をホットで飲む時も、砂糖を入れて飲む人が多いそうです。
緑茶、日本茶、お茶

緑茶も砂糖を入れて飲むことが多いアメリカ

 ここ数年の抹茶ブームもあって、街のあらゆるカフェで抹茶をラテやフラペチーノで楽しめるようになりましたが、やはりそれは「甘いドリンクであること」が大前提。外でお茶をするときには、ほとんどの場合、理想の甘くない緑茶を求めてさまよい歩かなければならないといいます。 「近所のスーパーでも伊藤園の『お~いお茶』を売るようになり、甘くないアイスグリーンティー商品の認知度も上がってきているようです。とはいえ、カフェやレストランで頼む温かいお茶を油断して飲むと、超がつくほど甘ったるいときがあるので要注意です」
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エダマメ、トウフ、テリヤキは英語?定着する日本食
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