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「ぼんやり息子の方が将来成功する」脳の働きからみた男子の育て方

成績や身長が伸び悩む子は、22時以降のスマホと甘いものに注意

――子どもが眠っている間に、脳が発達してくれるということですね。 黒川:はい。子どもが眠たがるときは、眠らせてあげましょう。9歳から12歳の間は、脳の神経線維ネットワークが劇的に増えるため、脳のゴールデンエイジと呼ばれています。このタイミングに大切なのは、眠りと体験です。受験生の母が邁進するべきは、いかに勉強させるかではなく、「短い持ち時間で、いかに効率よく寝かせるか」です。 男子スマホ――睡眠時間の目安はありますか? 黒川:小学生でも7時間睡眠ですむ子もいれば、大人でも8時間以上の睡眠を欲する人がいたりと、適正な睡眠時間は個人差が大きい。それぞれの脳にとっての適正時間を見つけることは大切ですね。なお、中学生の男子で成績と身長に伸び悩んだ場合は、睡眠が足りているかをチェックしましょう。  特に、22時以降の携帯電話の凝視や眠る前の甘いものの摂取は禁物です。電子画面は目への刺激が強くて、視覚神経を緊張させ、眠りに入りにくくなります。また、甘いもので眠る前に血糖値を上げてしまうと、脳が興奮して眠りの質が悪くなります。寝起きが悪くて朝がゾンビのようなら、ぜひこの二つの生活習慣を見直してみましょう。

ぼんやりしている間に、脳は進化している

――そのほか、子どもの脳を発達させるために重要なことはありますか? 黒川:眠るのと同様に大切なのが「ぼんやりさせる」ということですね。 ――小さいときほど、女の子よりも男の子の方が、ぼんやりしている時間が多いような気がしますね……。 黒川:眠っているときだけでなく、起きている間でも、脳が必要性を感じた場合、外界から脳を遮断し、脳を進化させるモードに入ることがあります。特に、小脳の成長が著しい8歳くらいまでの男の子は、こうしたぼんやりして過ごす時間が頻繁に訪れます。一見すると、ぼんやりして「でくの坊」のように見えるかもしれませんが、彼らがフリーズしているその瞬間に、脳が活性化し、内なる世界観が充実させていると考えてください。
黒川伊保子さん

黒川伊保子さん

――ここまでは、運動能力や芸術センス、理系能力の構築について伺いましたが、将来、冒険心や創造力にあふれた成功できる男性に育てるために、必要な秘訣はありますか? 黒川:冒険心ある男性に育てるために大切なのは、「甘やかすこと」です。「甘やかすと、自立できなくなる」と心配する人も多いかもしれませんが、母親が穏やかで優しい存在であるほうが、男の子の脳は安定します。男の子は冒険心が旺盛ですが、思いっきり甘やかして「“母”といういつでも帰ってこられる場所」ができることで、将来、躊躇なく自分のやりたいことにチャレンジできる男性に育ってくれますから。
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