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「ぼんやり息子の方が将来成功する」脳の働きからみた男子の育て方

冒険ファンタジーで知る忍耐と挫折

――基本的にはやりたいことをやらせてあげたい反面、何もしつけをせずに放置しては世間知らずになってしまう…と心配になる親御さんも多いのでは。 黒川:そうですよね。人生には厳しい面もあることを息子に知らせるため、私が提案するのは「冒険ファンタジーを与える」ということです。“楽する子育て”には、物語の手助けが不可欠です。ものがたりは苦しまずに脳に忍耐力をもたらし、使命感を誘発します。特に、男の子には、9歳から12歳くらいまでの冒険ファンタジーは必須です。 男子と本――なぜ、冒険ファンタジーがいいのでしょうか? 黒川:冒険ファンタジーの物語の中では、たくさんの主人公が過酷な運命に身をさらし、たくさんの失敗をしています。負けても見捨てられても、あきらめずにリベンジし、世界を救い、信頼や愛、栄誉を得ている。冒険ファンタジーを何冊か読むことで、世間の厳しさを知り、使命や忍耐の尊さを知ることができるのです。ファンタジーモノが苦手なら、歴史モノでもいいでしょう。日常とは別の世界で、自分と等身大の主人公が挫折に立ち向かう物語を、ぜひ経験してほしいです。

アニメやゲームより「読書」がお勧めな理由

――冒険ファンタジーには、映画やアニメ、ゲーム、本などたくさんのジャンルがありますが、望ましいものはありますか? 黒川:映画やゲームももちろん効果はありますが、脳の機能から言えば、できれば「読書」が望ましいです。「文字情報をイメージに変換する」という点で、読書は脳のあらゆる場所を刺激させ、成長させる効果があるからです。普通に日本で小学生をやっていれば、日常生活での体験はたかが知れています。読書は与える体験のようなもの。読書をすれば脳への入力は何倍にもなります。 ――読書以外に、冒険心が育つコンテンツはありますか? 黒川:抽象的ではありますが、囲碁や将棋も、脳にとっては冒険ファンタジーと同じ役割を果たします。囲碁や将棋に夢中になっている子がいれば、無理やり読書をさせる必要はないかもしれません。ただ、ある程度、読書を経験させることが、戦略力を育てる上では非常に有効ですよ。 <黒川伊保子 文/女子SPA!編集部>
黒川伊保子
(株)感性リサーチ代表取締役社長。1959年生まれ、奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に従事、2003年現職。『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』がベストセラーに。近著に『息子のトリセツ』『母のトリセツ
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