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『ワンダーウーマン』主演女優に聞く。美しい空中アクションの誕生秘話

シルク・ドゥ・ソレイユにインスパイアされた

ワンダーウーマン1984

©2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics

 今作も、アクションシーンは迫力満点だ。このような映画を女性監督が手がけたことに改めて驚かされるが、女性ならではのエレガントさと繊細さがあるのも特筆すべきだろう。ガドットによると、シルク・ドゥ・ソレイユにインスパイアされているという。 「撮影準備に入る前に、パティ監督と一緒に、子供たちを連れてシルク・ドゥ・ソレイユのショーに行ったの。そこで見たパフォーマーの動きがフェミニンで上品でセクシーで、『こういうのをやろうよ』となったのよ。そこからスタントチームがスタントのデザインを始めていった。  準備は複雑で大変だったけど、ワイヤーに吊るされてあれらの動きをするのは、空中でダンスしているみたいで、素晴らしい気分だったわ。誰もやったことがない新鮮で美しいアクションをつくり上げているという大きな満足感もあったしね」  前作同様、撮影前と撮影中には、有酸素運動、ウエイトリフティング、ピラティス、ランニングなどあらゆるトレーニングをこなした。さらにスタントの振り付けの練習もある。しかし、イスラエル時代、兵役義務で軍隊にいたことがあるガドットは、基礎体力には自信あり。ハリウッドデビューとなった『ワイルド・スピードMAX』(’09年)で役を獲得したのも、そのおかげだったと自負する。 「それに、若い頃はスポーツをしていたの。私は負けず嫌いなので、すごくがんばったわ。でも、仕事では競争はしない。それは生産性を下げることだと思うから。クリエーティブなエネルギーは、みんなと仲良く力を合わせることで高まる。そうすることでシーンは向上すると信じているの」

撮影が終わった記念に現場から持ち帰ったある“お土産”とは?

 実際、彼女からはポジティブでハッピーなオーラが常に漂っている。共演のクリス・パインは、「ガルはいつも笑顔。長時間働いて、トレーニングもして、さらに2人の娘を育てているのに絶対不満を言わないんだよ。僕の逆だ」と笑う。  また、パティ監督も、「1作目から変わったことといえば、前みたいに普通にディズニーランドに行ったりできなくなったことくらい。それ以外はスターになってからもまったく同じ」と語る。それに対してガドット本人は、「どう答えていいかわからないわ。私は私の体験しか知らないもの」とあくまで謙虚だ。  そんな彼女に、撮影時の裏話はあるかと聞くと、撮影が終わった記念に、現場からある“お土産”を持ち帰ったことだと明かしてくれた。 「1作目では何も持ち帰らなくて後悔したの。だから、今回は最初から何か持って帰ろうと決めていた。返せと言われたら嫌だから、具体的に何を盗んだかは秘密にしておくわ(笑)」  チャーミングな笑顔でそう答える彼女。勇猛な女戦士を演じ、ハリウッドスターの仲間入りをしても、変わらぬちゃめっ気が愛される理由なのだ。
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ガドットをメジャー女優へと押し上げたDC作品3選
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ワンダーウーマン 1984
’20年/アメリカ/2時間31分 監督/パティ・ジェンキンス 出演/ガル・ガドットほか 配給/ワーナー・ブラザース映画 12月18日より全国公開
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