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中卒・元ヤンから保護司になった女性の壮絶人生「虐待や薬物依存をなくしたい」

虐待と非行と依存症は地続き

 また風間さんは、虐待も非行も依存症も自分の中では地続きだという。 風間暁さん3「私みたいな苦しい生き方をする子どもがこの世から消えてほしいという思いがあります。保護司としての活動も、子どもが10人いれば10通りの対策を作らないといけないと思います。虐待があって非行に走る子どもはとても多いし、非行がなくても依存症に走る人も多い。この啓発をすることで理解を深めて防止に繋げていかないといけない。  あと、こないだバンドをしていた頃のCDが見つかって歌詞カードを見てみたら、虐待についての子ども目線の歌詞ばかりでした。自分がどんなに苦しかったのかわかってほしいというのがすごく強かったんです。でも今はもうちょっと配慮の範囲が広がったというか、自分の苦しさもあるんだけど立ち直れたそのプロセスを、あのときの私みたいな人たちに伝えられるロールモデルになれたらいいのかなと思って、今の活動を行っています」

司法試験の勉強を始めたわけ

 風間さんの今後の目標は司法試験に合格することだという。
風間さんと姫野さん

風間さんと、取材したライター姫野さん(右)

「今、仕事や育児の合間にちょいちょい司法試験の勉強をしているんです。本当は精神科医になりたいのですが、医者は大学に行かないといけないしお金もかかる。でも司法試験は中卒でもいけるんです。入れ墨があっても大丈夫なこともある。私ができるのはこれしかない。弁護士になるかならないかは置いておき、司法試験に合格したいですね。  虐待や非行など依存症の人がセンセーショナルな部分を話して自分の苦しみを吐露する方法も大切だと思うのですが、大人になっても苦しいのかという姿を子どもが見ていると嫌になってしまうのではないかと思って。大人になって、こんな過去があってもあきらめないで勉強すれば弁護士にもなれちゃうんだっていう希望を子どもたちに見せたいんです」  壮絶な過去とこれからの明るい未来と希望について語ってくれた風間さんの指には、年少リング(指輪のように見えるように彫った入れ墨)と根性焼きが目立つ。虐待や複雑な家庭環境などで苦しいから非行や依存症に陷いる。今、過去の風間さんと同じような立場にいる当事者に寄り添う姿に勇気をもらえた。 【風間暁さん】社会的包摂カフェ「ごちゃまぜCafeメム」オーナー、保護司、ASK認定依存症予防教育アドバイザー、フォトグラファーなど。2児の母。twitter:@k6rm6 <取材・文/姫野桂 撮影/林紘輝>
姫野桂
フリーライター。1987年生まれ。著書に『発達障害グレーゾーン』、『私たちは生きづらさを抱えている』、『「生きづらさ」解消ライフハック』がある。Twitter:@himeno_kei
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