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『ボス恋』玉森裕太が“嘘”と“偶然”で甘く悪魔的に誘う

「俺の彼女になってほしい」 「俺のこと好き?」  ……玉森裕太演じる潤之介が、毎話ラストに放つ悪魔的すぎるセリフ。  火曜ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)はお仕事ドラマとしての話運びもうまいのだけれど、競争社会に揉まれていくヒロインのいっときのオアシスとして存在する潤之介から気づけば目が離せない構成になっている。
(画像:上白石萌音公式サイトより)

(画像:上白石萌音公式サイトより)

 果たして次回のラストでは何を言い出すのやら……。

『恋つづ』同様、振り回されてしまう上白石萌音

 『ボス恋』は、人並みで安定した暮らしを望むヒロインの奈未(上白石萌音)が、あろうことかファッション雑誌の編集部に配属され、鬼のような編集長・宝来麗子(菜々緒)の雑用係になってしまうところから始まるドラマだ。  昨年の人気ドラマ『恋はつづくよどこまでも』でも主演を務めた上白石が再びTBSテレビの同ドラマ枠に帰還。同じく上司からドSな扱いを受けながらも奮闘する姿が描かれていく。『恋つづ』では佐藤健が悶絶不可避の殺し文句を放って上白石を困惑させていたが、『ボス恋』もその流れを継承しているようだ。 「俺の彼女になってほしい」「いや、フリでいいんだけど」  第1話のラストではこんな一幕があった。一度期待させて、いや「彼女の“フリ”かい!」とする潤之介の振り回し力。ならびに奈未=上白石の振り回され力……。「仕事も恋愛もほどほどに」を目指していたはずの奈未の人生は、麗子と潤之介によって正規ルートを華麗にハズれていく。

玉森裕太がつく“嘘”がドラマを動かす

 その麗子と潤之介が、実は姉弟だと明らかになる第1話のラスト。その秀逸なハチ合わせのコメディ描写には思わず舌を巻いてしまうが、元はといえば、あの潤之介のついた“嘘”がすべての元凶だった。  潤之介の彼女のフリをする奈未は、麗子に紹介された際に自分が「けん玉のチャンピオン」であることを苦しまぎれに吐露。それを聞いた麗子は、その特技を生かしてけん玉好きの人気漫画家から仕事をとってくるように命令する。  嘘が嘘を呼び、ピンチに追いやれてしまう奈未。そんな彼女に寄り添い、心を掴んでいく潤之介。すべてを振り返ってみると、奈未が潤之介の手の平の上で踊らされているような奇妙な手触りが残る……。  “嘘からはじまるラブストーリー”という点では『愛の不時着』などとも似ているが、潤之介のあざとさは唯一無二の破壊力を持つものだろう。
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『プラダを着た悪魔』とは違う
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