『ボス恋』玉森裕太が“嘘”と“偶然”で甘く悪魔的に誘う
たび重なる偶然、ちょうどいいアドバイス
就活スーツを着た奈未が、ペンキが塗られたてのベンチに座ってしまうという物語の冒頭。その危機を潤之介が救うことで、ふたりの距離は急速に接近する。 思えば、麗子から「人並みでいいなんていうのは、平均以上の能力やステータスがある人間が使える言葉」とたしなめられ落ち込んでいるときや、坂道で大量のレモンをぶちまけてしまったときに偶然、奈未の前に現れるのが潤之介という存在だった。 「夢ってさぁ、なきゃいけないのかな? 夢を持ってる人を否定しないけど、別になくたっていいんじゃないかな」 「夢に縛られたり、夢を持つことにとらわれたりしたり、それで笑えなかったら意味なくない?」 同僚とは違い夢ややりたいことがないことに悩む奈未に対しては、そんな言葉をかける潤之介。落ち込んでいるときに偶然鉢合わせ、しかもちょうどいいアドバイスをしてくれるんだから、好きにならないわけにはいかないでしょう。
だから『プラダを着た悪魔』とは違う
原航平
ライター/編集者。1995年生まれ。『リアルサウンド』『クイック・ジャパン』などで、映画やドラマ、YouTubeの記事を執筆。カルチャー記録のブログ「縞馬は青い」を運営。Twitter:@shimauma_aoi
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