こうして出産を無事終え、現在育児と仕事を両立させる絵美さん。パートナーとの関係は良好で、選択的シングルマザーとして生きるスタンスは変わりません。

息子さんと生きていくためにも、ある程度の金銭的余裕は絶対に必要!
シンプルに「たくましい」と感じますが、マイノリティーな生き方を選ぶ大変さや偏見について聞くと、意外にもポジティブな答えばかりが返ってきます。
「選択的シングルマザーに対する偏見は、親も含め全くありません。そもそも親には結婚したくない意志を早期に伝えていましたし、東京で色々な価値観の中仕事をしている私を理解してくれている人は、むしろ今の生き方は『私っぽい』という印象すらあったようです。
それと同時に、私は『この生き方で幸せなんだ』と発信することを意識しています。こうすることで、周りの受け止め方も変わっていくと思うんです。そもそも選択的シングルマザーは自分で選んだことなので、弱気にならない意識は、自分のためにも子どものためにも大事だと思います」
ポジティブに選択的シングルマザーとしての日々を語る絵美さんですが、こうした自由と幸せも、経済的な自立あってこそだと力説します。
「前提としてお伝えしたいのは、選択的シングルマザーに限らず、女性は自立しないとダメだと思います。凄く稼げとまでは言いませんが、1人でも生きていける稼ぎは必要だし、お金がなくなると人はパニックになります。
シングルマザーに関していえば、思っている以上に福祉が充実しているので実は頼れるものが沢山あるし、周りの人が手を差し伸べてくれることも多いです。自分の人生ですし、自分で取捨選択していけたら良いですよね」
「自分が責任を持って、胸を張って生きていくしかない」
絵美さんの話からは一貫してこのメッセージを強く感じました。でも責任という点だけで言えば、選択的シングルマザーだろうが既婚だろうが独身だろうが、自分の人生の責任は自分にあるし、自信を持って生きられるような取り組みは必要です。そのための強さとしなやかさは筆者も意識したいなと思うのでした。
【お話を聞いた人】
落合絵美さん
1982年生まれ。子供の頃から文章を書くことを好み、大学在学時に出版社でインターン勤務。卒業後、きものの販売員を経て出版社に復職。「せっかく良いコンテンツを作っても、マーケティングとPRがわからなければ犬死だ」と痛感しPR会社に転職。広報業務のほか書籍プロデュースなども手掛け2018年に独立。
株式会社Kiss and Cry代表。
<取材・文・イラスト/おおしまりえ>
おおしまりえ
コラムニスト・恋愛ジャーナリスト・キャリアコンサルタント。「働き方と愛し方を知る者は豊かな人生を送ることができる」をモットーに、女性の働き方と幸せな恋愛を主なテーマに発信を行う。2024年からオンラインの恋愛コーチングサービスも展開中。X:
@utena0518