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6か月の赤ちゃんまでレイプ被害に。コンゴ人女性の性被害が“遠い話”ではない理由

国際社会、そして日本の責任とは?

ムクウェゲSTILL03――国際社会の「無関心」も大きな問題とされていますが、まずは個人が意識を変えるしかないのでしょうか?  そうですね。日本はG7の一員で、コンゴの政府に対しても影響力を持っている国なので、国民みんなが意識を持てば日本政府も「何か対応しなければ」と変わっていくと思います。なぜなら、国を作っているのは国民一人一人ですから。大切なのは、そういう積み重ねなんじゃないかなと。みんなが声を上げて行動に移せば、政府だけでなく企業も動くと思うので、消費者としてできることもたくさんあると思います。 ――「女性にとって世界でももっとも安全な場所」のひとつである日本に暮らす女性たちに、「女性にとって世界最悪の場所」で生きる女性たちの現状を伝えることで、どのようなことを感じてほしいと思っていますか?  アフリカというのは、気候変動や政治の腐敗、人権問題など、世界で起きていることが極端に出る地域なので、私は“世界の縮図”だと思っています。つまり、アフリカで起きていることは、自分たちの足元でも起きているということなんです。ムクウェゲさんは、コンゴで女性のレイプが減らない原因は、男性優位の家父長制に一因があり、だからこそ、女性の社会的地位を上げることが大切だとも話しています。  武装勢力はいないものの、日本でも女性が性暴力の被害に遭ったり、人権を侵害されたりすることはありますよね? そういう意味でも、世界のこういった現実を知ることで、自分たちの問題についても考えたり共感したりするきっかけになればいいなと思っています。 (C)TBS <取材・文・撮影/志村昌美>
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