実は、国から市町村まで、ひとり親を支援する制度や給付金はそこそこある。だが、あまり知られていないのが現実だ。
「去年の11月、東京都がひとり親家庭向けのポータルサイト『
シングルママ・シングルパパ くらし応援ナビTokyo』をオープンしたんです。このサイトには困りごとに応じて相談先が書いてあります。お金、住まい、仕事、家事、育児、医療など、悩み相談ごとにクリックすると、それに対する支援策の問い合わせ先にリンクされています。離婚する前のプレシングル向きの情報も。
市区町村で検索して、自分の住んでいる地域にどんな支援があるかも調べられて、助かるサイトだと思います。もっと知ってほしいですね」

シングルママ シングルパパの暮らしナビ
また、東京都が行っている「ひとり親家庭支援センター」も、ぜひ利用してもらいたいという。総合的な相談ができるが、なかでも離婚の際の財産分与や養育費の決め方などについて、弁護士に無料で相談できるのが嬉しい。
「離婚するときは、感情的になって『養育費なんていらないから別れたい!』と言ってしまう人もいたり、最初は払われていた養育費が止まってしまったというような相談もあります。私もこのような支援があることは、都議会議員になって初めて知りました。ぜひ無料相談などを使ってもらいたいです」
また、民間にもシングルマザー支援をしている団体はいくつもある。前述のように、龍円さんは一般社団法人「
ママユナイテッド」のスペシャルサポーターでもある。どういう団体なのだろうか。
「母体はママスクエアという会社で、小さいお子さんがいるママたちの再就職を応援する取り組みを行っています。ママスクエア(全国59拠点)は、子連れで出勤して働いている隣で、子どもが遊んでいられるキッズスペースがあるんです。そのママスクエアの代表が、シングルマザーを応援したいと始めたのが『ママユナイテッド』です」

龍円さんとニコちゃん
龍円さん自身は、「いまは都議会の仕事が忙しくてなかなか思うように関われていない」そうだが、シングルマザーのコミュニティを作りたいと考えている。
「私はダウン症のある子がいるので、“親の会”やSNSなどでダウン症育児をする家族と繋がれるんですね。ところが、シングルのママたちはそういったコミュニティがほとんどない。シングルマザーって、毎日の生活が大変過ぎて、集まる余裕がないんだと思うんですよね。
本当はシングルマザーこそ集まってお互いに助けあったりしたほうがいいのですが、孤立してしまう。なので、ママユナイテッドでそういうつながりができないかと考えています」