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韓国系コメディアン、米国でのアジア系差別に「もううんざり」と怒りの訴え

 かつて医師として病院に勤務していたものの、いつしかコメディアンとして米エンタメ界で活躍するようになったケン・チョン(51)。多くの米国民に親しまれ、いまや大スターとなった韓国系のケンだが、米社会で急増しているアジア系住民に対する差別や犯罪には大きな憤りを感じているようだ。また、先週ジョージア州のマッサージ店で起こった銃乱射事件の犠牲者の家族に、5万ドル(約500万円)を寄付していたことも明らかになった。

“中国ウイルス”や“カンフル”といった言葉が差別を生んだ

ケン・チョン

ケン・チョン

 アジア系住民に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)が急増しているアメリカ。3月16日には、ジョージア州アトランタのマッサージ店3カ所が連続で銃撃される事件が発生し、アジア系女性6人を含む8人が殺害された。  この事件で命を落とした8人のうち5人の犠牲者の家族を援助するため、ケンはクラウドファンディング「GoFundMe」を通し、1家族につき1万ドル(約100万円)を寄付したようだ。本人は自身の身元を明かしていなかったそうだが、米ピープル誌は「ケンが寄付した1人であることを確認した」と報じている。  ケンは、新型コロナウイルス感染拡大によって高まっているアジア系住民への人種差別に対し、非難の声も上げている。数日前に出演したトーク番組では、この悲惨な事件について言及し、次のように訴えた。 「いい加減にしてほしい。もううんざりです。昨年、アジア系アメリカ人への人種差別犯罪は150%近く増加した一方、ヘイトクライム(憎悪犯罪)全体は7%減少しました。これはまさに『中国ウイルス』や『カンフル』といった攻撃的な用語のせいです」 「このような特定的な犯罪においてさえ、この犯罪が人種差別に動機付けられたものであったかどうか議論がされています。しかし、アジア系アメリカ人女性は、アメリカで暴行を受ける可能性が2倍もあるのです。これは明らかに人種差別的動機があったと言えます」

韓国人移民の家庭で育ち、医学の道に進んだが……

 韓国出身の両親のもと、米中西部ミシガン州デトロイトで生まれたケン。大学で医学を学び、卒業後は医療機関で医師として勤務していた。ところが、スタンダップコメディ(観客の前で行う一人漫才のようなもの)のステージに立ち始めると、みるみるうちにコメディアンとしての才能が開花。活動の場を広げるために移住したロサンゼルスで、テレビや映画に出演する機会に恵まれ、人気コメディ俳優となった。  なかでも、二日酔いで記憶をなくした男たちの騒動を描き大ヒットした映画『ハングオーバー!』シリーズのケン・チョン役が有名だが、欧米で異例の大ヒットとなったアジア映画『クレイジー・リッチ!』などの話題作にも出演している。
 ただ医師としての的確な判断力はいまだ健在なようで、スタンドアップコメディの公演中に観客が発作を起こした際には、公演を中断して救命措置を行い、急病人の命を救ったこともあった。

人として、人種差別を解決する方法が分からない

 そんなケンは、元医師としてコロナを解決するための方法は思いつくが、人種差別を解決するための答えは見つからないと話す。 「元医者として、そして今でも医療に従事する妻を持つ者として、コロナを解決するための方法はわかっています。それはマスク、予防接種、常識、そして愚か者にならないことです。でも私は、人として、人種差別を解決する方法が分からない。人に耳を傾け、学び、愛し、寛容であることが求められているのでしょう」 「この特殊な状況において、アジア系アメリカ人としては、『カンフル』なんて愚かな言葉をなくさなければいけない。私たちは声を大にする必要があるのです。だからこそ、私たちは訴えているのです」 “カンフル”は、トランプ前大統領の発言がきっかけで広まった言葉。選挙集会で発言した際、コロナを中国武術のカンフーとインフルエンザを組み合わせて「カンフル(KungFlu)」と呼ぶことを提案、それから繰り返しこの表現を使うようになったという。トランプ氏は在職中、コロナの発生源は中国であるとして「チャイニーズウイルス」「チャイナウイルス」という発言を繰り返していたことでも知られる。  一部の欧米諸国では、日本人も含めた多くのアジア系の人々が、攻撃の対象とされる事態が続いている。日本にいる私たちにとっても、決して無関心ではいられない問題だ。 <文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>
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