前回記事では、音声SNS・Clubhouseなど家にいても他者と繋がるツールが発達したという話をしました。

家にいるのにパートナーと繋がる必要性を感じなくなると、一見体の距離は近くても、心の距離は離れる一方です。そんな状態を放っておくと、コロナが落ち着いたとき、「一緒にいる意味ってあるのかな」という考えが生まれる可能性があります。このピンチを乗り越え、第三段階へ関係を成熟させていくにはどうしたら良いのでしょう。
「『離れていても近くでも信頼する感覚』を育てることが重要です。が、そのためには、
自分のちょうど良い距離と、相手のちょうど良い距離は違うと理解する必要があります。
そして、二人で過ごす時間と自分の時間のベストなバランスを見つけることが大切です。パートナーと距離を感じると不安になりますが、不安な感情にフォーカスせず、『今はその距離感が必要だ』と考え直しましょう。
また、パートナーと一緒にいて疲れを感じるなら『自分の時間が必要』という心のサイン。勇気を持って自分の時間を確保しましょう。夫婦だからといって距離が近くなくてもいい。その感覚をつかめれば、気持ちにもゆとりが生まれます。
ただ、これまでとは異なる生活リズムに変えていくのは意見の対立が生まれるものです。そんな時には話し合いをすることが重要です」(秀海さん)
理解が深まる話し合いをするには、自分を主語にしたIメッセージ(※)を忘れずおこないたいところ。しかし、Iメッセージを使うためには、「自分の感情の正しい処理」が大切です。
(※)Iメッセージとは、主語を自分にして伝える方法。傷ついた時も「あなたはどうしてそんな風に言うの?」と相手を主語にしたYメッセージを使うのではなく「私はそういう風に言われて、凄く傷ついてる」と、自分を主語にして相手に伝えていくこと。

「
話し合いをする前に、ネガティブな感情に気づき対処することが大切です。夫婦で話し合うとき、相手に対する不満や怒りの感情が隠れていることが多いです。
例えば、『夫が話を聞いてくれない』というケース。生返事ばかりのときには誰だってイライラするものです。そこで『どうしていつも話を聞いてくれないの!』と怒っても、良好なコミュニケーションが生まれません。売り言葉に買い言葉でヒートアップしていくか、彼が逃げ出して(あるいは殻に閉じこもって)余計にイライラが募るのが関の山でしょう。
そんな時こそIメッセージですが、『頭でわかっていてもムカつく』となる。それは、
分かり合えないことに寂しさや怒りなど、ネガティブな感情が積み重なっているから。そんな時に、Iメッセージで伝えるってなかなかできないものです」(秀海さん)