また、飼いきれないケースの予兆として、ペットの見た目や臭いに変化があると話します。

「犬の場合は、トリミングの際に
いつもより明らかに毛並みが荒れていたり、毛玉がいつも以上に増えていると前兆だと感じます。連続して毛玉がたくさんつくようになったら危険だと感じ、積極的に飼い主さんの相談にのるトリマーもいます。これは金銭的な余裕のなさがメンタルの余裕のなさに繋がり、ケアできなくなる仕組みが考えられます。
また猫の場合は、ご自宅に定期的に伺うペットシッターの立場だと変化に気づきやすいです。お部屋の臭いが以前よりするようになったとか、部屋自体の掃除が行き届いていない、猫のご飯や水の皿が洗われていない(継ぎ足しされている)状態に変化していると、危険だと判断します」
生活の余裕がなくなっていくことと、飼育の限界を迎えるケースは比例しているのでしょう。ご自身で限界を感じている方や、もし周りで心配に感じる方がいるようであれば、これらポイントを確認し、事前に取れる対処を検討していくことをおすすめします。
理由はどうあれ、「飼えない」という選択をするのは良心の呵責と向き合わなくてはいけません。この心と向き合うのが辛いため、無理をしつつ限界まで飼い続けてしまい、人も動物も不幸になるケースがあるようです。
気持ちの整理をつけ、そして正しい対応を取るにはどうしていくべきなのでしょうか。
「良心の呵責や罪悪感は当然あるとは思いますが、とにかく
『動物のために何が最善か』を考えて欲しいです。今後飼えないとしても、出来る限り幸せにしてあげることが飼い主としての務めです。『可哀想だから』といって退路を断ち、劣悪な環境で飼育し続けることは人間のエゴです。最善を尽くした結果、飼えないからこそ次をきちんと考え探してあげることが大事ですし、こういった行動で罪悪感が少なくなるのではないでしょうか」
北本さんは、「次の飼い主を探すなど、次の検討をするために他者の力を借りることは悪いことではない」と言います。