また放棄など最悪の事態を避けるための準備についても教えてくれました。
「ペットを飼いきれないと思ったら、以下の順番で対応してみてください。本来これは飼い始めと同時に、万が一のために知っておいて欲しいことです。こういう情報があると知るだけでも、皆さんのペットライフはまた違ってくるのではないでしょうか」
【万が一ペットを飼えなくなった際の検討手順】
①お金と生活を見直す
まずは自分の生活スタイルと生活費の見直しをし、引き続きペットを飼えないかを検討する。
②友人や知人、親族を頼る
友人知人や親族など、代わりに引き取って貰えないか頼む。また、万が一の際にペットの引き取りを相談しておくだけでも良い。
③保護団体に相談したり、里親サイトを利用する
里親サイトは個人での投稿も可能。病歴などの情報を丁寧に書くことで、誠実さが伝わり貰い手が見つかりやすい。
ただし、知識もなくいきなり投稿サイトに載せるのは危険。保護団体は手一杯で預けられないところが多いが、里親に出す場合の注意などを相談だけでもしたほうがいい。また、譲渡会に自宅から連れていくことをOKしてくれる団体もある(相談など協力してもらった時は、寄付などでお返しすることも忘れずに)。
※虐待目的の里親詐欺や、安易に引き取って飼いきれなくなる里親も増えています。譲渡契約書の締結、身分証明書の提示、先方の自宅まで届けて飼える状態かチェックするなど、十分注意してください。
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なお、保護団体を頼る方もいるそうですが、近年そういったボランティア団体はキャパオーバーを起こしている場合が多く、自分で里親サイトを頼った方が早いケースもあるそうです。
「ペットを飼う際、『最後まで飼う心構えで』と良く聞きますがこれは大前提であり、合わせて適切な知識を持っているとより安心です。私たちペット業界もこうした情報を今後積極的に発信していきたいと思っています」
コロナ禍でペットを飼いたいと考える方も多いかもしれません。安易に飼っても良いし、衝動的に飼っても良い。ただし、飼った後10年20年と責任をもって飼育出来るのか。きちんと正しい知識を持って、幸せなペットライフを送りたいところです。
【取材協力】
HONEY PETS/代表・北本友紀枝
動物福祉先進国のドイツで学んだ動物行動学・心理学を活かし、動物と動物を愛する人々の暮らしのサポートを目的にHoneyPetsを設立。ペットシッター、ペット介護士、グリーフケアアドバイザーとして活動する他、NPO法人日本ペットシッター協会にて養成講座の講師も務めている。
<取材・イラスト・文/おおしまりえ>
おおしまりえ
水商売やプロ雀士、素人モデルなどで、のべ1万人以上の男性を接客。現在は雑食系恋愛ジャーナリストとして年間100本以上恋愛コラムを執筆中。Twitter:
@utena0518