麒麟・川島明とTBS・田村真子アナがMCのTBS系列の新番組『ラヴィット!』は、前番組の『グッとラック!』の最終週の平均視聴率3・5%から初回視聴率2・7%に下がったと一部報道で話題になりました(関東地区、ビデオリサーチ調べ。以下同)。
その後も視聴率は低空飛行を続け、4月1日には1・8%と番組最低を記録。早くも
低視聴率番組の烙印を押されてしまったようです。

(画像:TBSテレビ「ラヴィット!」公式サイトより)
内容も、SNSなどでは「朝からパスタソースの特集なんて誰が見たいの?」「どこかで見たような特集ばかり」「芸人ばかりで暑苦しい」などと批判の声が目立ちます。
一方、主婦からは「どこもコロナのニュースばかりだからホッとする」という意見も。
かつてのTBS系列で放送されていた朝の人気情報番組
『はなまるマーケット』も、開始当初は視聴率3%周辺の不人気番組でした。くしくも『はなまる』開始前の同時間帯で放映されていた番組は、『グッとラック!』同様に時事ニュースを扱う『モーニングeye』。内容、出演者ともに大幅なリニューアルをともなうものは、視聴習慣が身につくまで時間がかかるものです。
『はなまる』も、視聴率が6%を超えるようになったのも、放送開始翌年になってからのことでした。それ以降はコンスタントに長年7~8%台をキープするようになったといいます。一度波に乗ることができれば、『はなまる』のように、民放各局が横並びで同じようなニュースをする中、
独自色を出せるのは大きな強みになるのです。

「岡江久美子のチャチャッとレシピ」(ワニブックス)
また、この番組は「若手芸人が多くてうるさい」という意見もあります。しかし、芸人さんにとって帯番組のレギュラーはせっかく掴んだチャンス、最初のうちは彼らがギラギラして空回りしてしまうのは仕方のないことです。しばらくしたら慣れて本来の面白さが発揮できるようになったり、逆に取捨選択もされてゆくのではないでしょうか。
新しい生活様式で、時差出勤やステイホームが多くなった20代~30代の若者たちは、主婦や高齢者向けばかりの朝の番組に取り残されているといいます。今後の企画によっては、そんな若い視聴者の心をキャッチする救世主になる可能性も見えます。『ラヴィット!』については、もう少し長い目で見る必要性があるでしょうね。
朝の番組は、多くの人々の生活に密着しており、いちど視聴者をつかんだら離れないもの。数か月後、果たしてどの番組が勝者として笑っているか――4月改編の朝の帯戦争は始まったばかりです。
<文/小政りょう>
小政りょう
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦