生理用品を買えずにトイレットペーパーで。「生理の貧困」の実態を聞いた
生理痛がひどくても生理休暇を使えない
――なんと、それはつらいですね……。社会的に生理に対する意識が低かったり、優先順位が低い印象があったりするので、言い出しにくいのはわかる気がします。
北田さん「そうですね。経済的なことだけでなく、物質的な困難の事例では、学校のトイレの数が少なかったり、休み時間が短かったりするので、ナプキンを交換していると次の授業に間に合わなかったという学生さんもいます。
また、社会人の方だと、生理痛がひどくても生理休暇を使えず休めないという実情もあります。国の調査を見ても、実際に生理休暇を使っている方は1割満たない状況。上司に『生理痛で休みたい』とは言えなかったり、生理のある人同士でも生理痛には個人差があるので『甘えるな』と言う方もいたりして、なかなか生理休暇を気軽に使えない環境もあるようです」
たしかに、筆者自身も会社員時代に生理休暇を使ったことはないし、使っている女性をあまり見たことがない気がします。生理という、女性に当たり前にある現象の理解が社会的に浅いことで、さまざまな困難が生じていることにまだまだ気づかれていないようです。
必要な人がいつでも無償で生理用品が手に入る世の中に
生理を経験した女性なら誰しも、生理中に何らかの困難を経験しているはず。生理の貧困の本質を知ると、遠くの誰かの問題ではなく、自分も含め社会全体の問題だということがわかります。筆者も生理用品の軽減税率化の署名運動に微力ながら参加をしてみました。 生理中の問題が「自分だけで解決すること」ではなく、「みんなで解決すること」になるよう、日ごろから配慮をしていきたいですね。 <文/関由佳> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
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