石野真子、60歳。仕事も趣味も楽しくなる「なるべくなら」の感覚とは
歌手として、近年では女優として、さまざまな表情でファンを魅了し続ける石野真子さんが、2020年3月に62歳で急逝した佐々部清監督の遺作となった映画『大綱引の恋』に出演しました。2021年5月7日より全国で上映中です(新型コロナの影響で一部劇場の上映日程が変動。詳細は公式サイトを参照)。
本作は、鹿児島県薩摩川内市に400年続く勇壮な“川内大綱引”(せんだいおおつなひき)を題材に、それに青春をかける鳶(とび)の跡取りの主人公と、甑島の診療所に勤務する韓国人女性研修医との切ない恋模様を、ふたりを取り巻く家族模様とともに描いた感動大作です。石野さんは主人公・有馬武志の母親である文子を好演しています。
母であり、妻であり、そして伝統文化である“川内大綱引”とともに生きる女性を、普段の柔らかな笑顔とはまた一味違う、強い女性として見事に表現しています。
その公開を記念して、石野さんにインタビューを実施。佐々部監督とのエピソードや演じた役柄についてなど映画についての話題をはじめ、還暦を迎えての心境の変化や美しくいられる秘訣、楽しく人生を送るヒントを語ってもらいました。
――お祭りを軸に結婚や家族のテーマを丁寧に描いた感動作でしたが、オファーを受けた際の気持ちは?
石野真子(以下、石野):以前、佐々部監督とは『約束のステージ』というドラマでご一緒させていただいたことがあり、本当に短い時間だったのですが、とても優しく接していただきました。映画でいうところの“佐々部組”みたいな感じで、すごく温かくて素晴らしい現場だなという印象だったので、今回は映画でお声をかけていただいて、うれしいなと率直に思いました。
――三浦貴大さん演じる主人公の母という役柄については、どういう演出があったのでしょうか?
石野:現場の中でみなそれぞれが思うように動いて、調整していくという感じでした。彼女はとても強くて優しい女性だなと思いました。夫を支え、子どもたちを育て、会社も手伝い、大綱引という祭にずっと関わっている地元の女性。誇りを持ちお祭りとともに人生を過ごしてきた女性だと理解しました。
――強さと優しさ兼ね備えた素敵な女性だと思いました。演じるうえで注意していたことはありますか?
石野:注意したことはやはり、鹿児島の薩摩川内の方言です。本当に難しかったです。地元の方々はとても楽しみにされて映画をご覧になるだろうから、なるべくしらけてしまわないよう、できるだけ近づけるように努力をしました。すっと入っていただけたら、うれしいなと思っています。
――そういう準備が大変そうな仕事だと思うのですが、女優という仕事をどう捉えていますか?
石野:短いセンテンスでも、普段使わない方言を一生懸命勉強したりすることは、実はこの仕事の楽しさでもあります。訪れたことないその土地土地に行き、いろいろな方と出会い、それがご縁で映画への関わり方も変わり、みんなで協力し合ってひとつの作品にしていくということに発展する。素敵なことだと思います。
――大変な作業はあるけれども、出会いや発見のほうが勝る、それがあるから楽しく感じる、ということでしょうか?
石野:そうですね。その大変な作業には終わりがなく、「これで十分」ということがありませんので、どこかで折り合いもつけていますね。
――無限に時間があれば完璧なものができるでしょけれど、幕は上がってしまいますからね。
石野:わたしは、監督がOKであればOKだろうと思っています(笑)。ただ、追求に終わりはなく、キリがない奥深い仕事だとも思います。
佐々部組は「温かい現場」
女優は「キリがない、奥深い仕事」
【公開情報】
『大綱引の恋』は、2021年5月7日より全国で上映中(新型コロナの影響で一部劇場の上映日程が変動。詳細は公式サイトを参照)。
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〆切り:2021年5月24日(月)
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『大綱引の恋』は、2021年5月7日より全国で上映中(新型コロナの影響で一部劇場の上映日程が変動。詳細は公式サイトを参照)。
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