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「地獄かと…」会社で闇金業者からの取り立て電話が鳴り続けたワケ

部署内で緊急会議が開かれ…

 そんな状況でも出張に出ている鈴木さんは、いっこうに連絡が取れません。さすがに業務に支障が出てきたため、業を煮やした上司が「『鈴木さんは退職した』と言っていい!」と言い出しました。 「上司の言うとおり『鈴木さんは退職しました』と伝えたら、相手もびっくりしていましたが、電話の回数は徐々に減り始めました。本当は辞めてないのに『辞めた』と嘘をつくのは正直、後ろめたさがありました。それと同時進行で会社の役員は鈴木さんを事務所に呼び出していたのですが、役員からの連絡にも折り返しせず、やはり音信不通状態だったようです」  その一件から数日後、部署内で緊急の会議が開かれ、鈴木さんの懲戒解雇が決まりました。 「鈴木さんは音信不通になりがちで、業務に支障が出るから懲戒解雇されるんだと思っていましたが、実は普段から無断欠勤が多かったそうです。役員から呼び出されたその日も、鈴木さんは競馬場に行っていたことがわかりました」

やつれた表情で現れた先輩社員。家族の姿も…

落ち込むサラリーマン男性 そこまで会社に迷惑をかけているのだから、当然の結果なのかもしれませんね。そして懲戒解雇決定から数日後、無精ひげを生やしてやつれた表情の鈴木さんが私物を引き取りに事務所に来ました。 「その数日間に何が起きたのかわかりませんが、今まで見たこともないような険しい顔をしていたので、相当懲りたのではないかと思います。奥さんとベビーカーに乗った2歳くらいの女の子も一緒に来ていましたが、こんな結果になってしまって奥様とお子さんが不憫でなりませんでした。その後、鈴木さん家族がどうなったのかはわかりません……」  後日談として、鈴木さんは出張先で空き時間さえあればその地方のパチンコに通っていたそうです。根っからのギャンブル好きだったのですね。その上、仲の良かった上司に50万円以上の借金をしていたことも判明。結局返済されることはなく、借金は踏み倒されたのだとか。  妻と小さな子どもがいるのにギャンブルと借金を繰り返していたとは、なんとも救いようがない話です。ギャンブル依存症は心の病気。鈴木さんが治療を始めているとよいのですが…。 ―シリーズ「クズ男ダメ男エピソード」― 【他のエピソードを読む】⇒「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ <取材・文/林加奈 イラスト/とあるアラ子>
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