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老いた親と向き合い疲弊する人々「仕事と介護の両立も大変」

 今春、話題を集めたドラマ『俺の家の話』では、長瀬智也演じる中年レスラーが父親の介護と向き合う姿が何度も映し出された。ドラマほど劇的ではないにせよ、老いた親と向き合うのは、「あなたの家の話」かもしれない。いつまでも元気だと思い込んでいた親が、気づけば豹変している。そのときどう向き合えばいいのか。老いた親と向き合う人たちの体験談を見ていこう。

同居する母親の暴言で心がズタズタに……

親が死ぬ前にやることリスト

現在、林田さんのお母さんは畑作業のサポートに回っている

「『私に死んでほしいんだろ!』などと母から暴言を浴びせられ、昔の姿と比較するとツライですね」  そう話すのは林田恵子さん(仮名・40歳)だ。同居する70代の母親の様子がおかしくなったのは、2年前に林田さんの父親が亡くなって半年を過ぎた頃からだという。 「日に日に物忘れが激しくなったり、うまく会話ができなくなって。当初は認知症を疑ったのですが、診断結果は『老人性うつ』。それまではとても明るく優しかった母が、頻繁に激怒するようになるなんて想像もしていませんでした」

話し合っておけば……親の豹変で一変した日常

親が死ぬ前にやることリスト

経理関係はすべて在宅ワークの林田さんが本業と並行して行う

 林田さんは父親が亡くなるまでの約4年ほど介護を経験しているが、続けざまに母親の老人性うつが始まってしまい、準備不足を悔やんでいるという。 「体は元気なので車を運転したがるのですが、認知症に似た症状なのでいつ事故るか気が気じゃないんです。前は『危なくなったら免許返納しようか』なんて言ってたのに、今はもう聞く耳を持ってくれません。せめて高齢者マークだけでもつけてほしいのに、それもイヤだと。『定年退職した時点ですぐに高齢者マークをつける』など、明確にルールを決めておけばよかったと後悔しています」  今後の本格的な介護に向けて、林田さんは準備を進めている。 「母がやっていた農業の経理は、計算ミスを自分のミスと認められなくなり、なし崩し的に私が引き継ぎました。あと、本人は嫌がって受けてくれませんが、認知症の検査がすぐできるように医師にも相談していますし、地域包括支援センターといつでも繋がれるように動いています。一人親で子育てもしつつ、家事や自分の仕事もあり、本当にキツいですが……母のためですから」
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疲弊し続ける「プレ介護」のリアル
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