ゆずこ: 介護される側の緊張感やプライドっていうと、私は介護する側の言葉遣いが結構気になりますね。本人は上から目線のつもりはないんだろうけど、自然と「
〇〇してあげるからね」「
ちゃんと言うこと聞いて」って言ってたりするんですよ。
安藤: ほう。
ゆずこ: それってね、もし自分が介護される側だったら……って想像すると、自分より年下から子ども扱いされたり、赤ちゃん言葉で話されるのってちょっとイラっとしません?
安藤: する。めっちゃ、する。
ゆずこ: でもおそらく大半の人が、
相手を見下そうとか、上から目線で喋ってやろうなんて思ってないんですよ。きっと自覚してない。わたしもそうなんですけど、なにかと手伝う(介護する)ことが増えて時が積み重なっていくたび、「〇〇してあげてるのに」とか、「あ~はいはい、私がやった方が早いから座ってて!」っていう言葉が自然とでちゃう。
安藤: うんうん。だから私は、「してあげる」んじゃなくて、「
何かお手伝いすることありますか?」って聞いちゃってましたね。「こんな自分でお役に立てることがあったら、言ってくださいね~」って。
ゆずこ: なんだかんだで、その方がいいですよね。一番ダメなのは、相手のプライドを傷付けちゃうことですから。
安藤: ですね。
「ごめんね」じゃなくて「ありがとう」と言われるために
安藤: こっちが無意識で上から目線で圧をかけちゃったり、相手が(やってもらっちゃって)申し訳ないっていう気持が勝っちゃうと、お礼として出てくる言葉は「ありがとう」じゃなくて、「ごめんね……」とか「申し訳ないね」なんですよ。
ゆずこ: そうですね。ごめんねって言われるとなんだかちょっと切なくなる。
安藤: ですよね。だから自分はその
「ごめんね」を「ありがとう」に変えたくて。ちょっと冗談交えてコソッと「……お小遣いもらってもいいんスよ?」って悪い顔をふざけながら言うと、「なにいってんの、もー!(笑)」って言いながら「ありがとう!」って言ってくれる。相手に気を遣わせないために、ちょこっとだけ気を遣うって感じですかね。
ゆずこ: かっちょいいなあ……。プロだなあ。