――コロナ収束後、困窮する女性たちをとりまく環境はどのようになると予測しますか?
松元「コロナ以前の世界に戻してはいけないと思っています。男女格差や非正規問題、マイノリティ差別のあった世の中に戻してはいけない。これまで、声も上げることができない被差別コミュニティもありました。困窮していない、特権を享受している人々が取り残されたコミュニティと一緒に声を上げるべきなんです。今がまさに、社会のあり方を変えていく機会ではないでしょうか。政治に訴えるだけではなく、私たちひとりひとりが意識を変えていってこそ、社会に変革を起こせると信じています」
【取材協力】
松元千枝(まつもと・ちえ)
「女性による女性のための相談会」実行委員、ジャーナリスト、メディア協同組合「Unfiltered(アンフィルター)」エディター、法政大学法学部メディア分析非常勤講師、東京大学大学院情報学環学術支援員。英字記者、海外通信社の東京特派員を経て独立。共著に『
マスコミ・セクハラ白書』(文藝春秋 2020年)、共同翻訳には『
世界を動かす変革の力 ブラック・ライブズ・マター共同代表からのメッセージ』(明石書店 2020年)、『
ストする中国』(彩流社 2018年)がある。
<取材・文/此花わか>
此花わか
映画ジャーナリスト、セクシュアリティ・ジャーナリスト、米ACS認定セックス・エデュケーター。手がけた取材にライアン・ゴズリング、ヒュー・ジャックマン、エディ・レッドメイン、ギレルモ・デル・トロ監督、アン・リー監督など多数。セックス・ポジティブな社会を目指してニュースレター「
此花わかのセックスと映画の話」を発信中。墨描きとしても活動中。twitter:
@sakuya_kono