さて、いよいよ最終段階のドライです。ドライは軽視されがちですが、毛髪の傷みを予防する意味では重要度の高いステップですので、髪が細くなってきた方や、美髪を目指す方は大事にしてください。
「自然」という言葉に良いイメージを持つがゆえに、自然乾燥させている、という方がよくいらっしゃいますが、頭皮の雑菌が繁殖しやすくなりますので、それは改めましょう。臭いや痒みなど、思わぬトラブルにつながることがあります。
タオルドライ時は、バサバサバサ!!! とこすらないで。
まず、ドライヤーで乾かす前に、タオルでできるだけ水分を吸収します。髪は高熱でダメージを受けますが、濡れているときは尚更です。そのため、ドライヤーを使う時間を最短にした方がよいので、タオルドライはしっかり行いましょう。
また、このときタオルでバサバサバサ!!! とこすらないことも大事です。シャンプーをつける段階でもお伝えしましたが、濡れた髪への摩擦はダメージの原因です。
髪を愛でるように、タオルでそっと包み込み、水分を吸収してあげてください。
タオルで水分をしっかり吸収したら、ドライヤーを使って乾かしていきます。
順番は、乾きにくい
「根元から」乾かし始め、「毛先は後」にすると効率的です。
髪は高温になればなるほど傷んでしまいますので、ドライヤーの温度調整が可能であれば、80℃以下の温風を使いましょう。温度調節ができない場合は、
ドライヤーの風口を髪から20cmほど離して使うと、温風が髪へ到達するまでに冷え、ダメージを予防できます。
ドライヤーは、風口を髪から20cmほど離して使う(温度調節ができないドライヤーの場合)
髪表面にあるキューティクルは、魚のウロコのような形状に重なり合っていますが、濡れた状態で開き、乾くと閉じます。美髪のためにはキューティクルをしっかりと閉じてあげることが大事なので、完全に乾かしましょう。
実は、乾いたと思ってもまだ乾ききっていないことが多く、
後頭部に手をさしいれ、ヒンヤリとする感触があれば、まだ水分が残っているということです。
そこからあと2分ほど。
完全に乾き、キューティクルが閉じると、髪の手触りが一気にスルンと変わる瞬間があります。それを感じられるか、よく確かめてみてください。
ちなみに、キューティクルは根本から毛先の方向に(上から下に)重なっています。そのため、ドライヤーの風の向きも、上から下に向けてあてると、綺麗に閉じて整い、ツヤが生まれやすくなります。
ドライヤーの風は、上から下に向けて。
スルンときたら、最後の仕上げで冷風です。冷風もキューティクルをきゅっと閉じる働きをしますので、冷風機能がある場合は使ってみてくださいね。筆者はこの段階で、アウトバス・トリートメントを使っています。
全て乾ききってから、ブラッシングして完了です。
ブラッシングは、髪がすべて乾ききってから!
3回にわたりお伝えしてきた「正しいシャンプーの仕方」。1つでも2つでも「おっ」と思う気づきがあった方は、ぜひ次のシャンプーから実践してみてくださいね。
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オトナ女性の美髪講座―
<写真&文/元井里奈>