――人を揶揄しないというのは大切なことですね。

『ハチとパルマの物語』より
壇蜜「私のなかで、『
他人が大事にしていることを馬鹿にしたり揶揄したりすることは、死に値する』という考えは、曲げないで行こうと思っています。人にはそれぞれ事情があって、その事情もどんどん複雑化してきている。たとえどんな理屈でも、事情はある。
たとえば人のことを傲慢だとか、慢心しているとか決めつける前に、とりあえず話を聞く。そのうえで理解できないこともあるでしょうけど、理解できないことが理解できたことは大きい。まずは事情を知ることが必要なんじゃないかなと考えます。それに、さきほどの『どうでもいいこと』に戻りますが、余裕がないことは、怒りにつながると思います」
――ありがとうございました。最後に映画公開へのメッセージをお願いします。
壇蜜「子どもと犬の話と言ってしまうと簡単ですが、家庭環境であるとか、彼と犬を守る人たちについても描かれます。大人として完成して社会に馴染んでいる人が、得じゃないことをしてふたりを救ったりする。そういう理屈じゃなしに動く姿、人間には、ときどき分析できないことも起きるのだということを味わってほしいです」
(C) 2021 パルマと秋田犬製作委員会
<文・写真/望月ふみ>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。
@mochi_fumi