その疑いは当たっていた。意を決して夫の携帯を見たら、ふたりのやりとりが飛び込んできたのだ。夫とカナさんは、もしミズホさんに疑われたら、「そんなこと、あるわけない」ときっぱり言おうと相談していた。
「怒るより前に脱力しました。私の存在って何だろうと。妻として、女として、人間としてもバカにされている。ふたりにどうこうというより、小さいあかちゃんを抱えているので、まずは自分自身をしっかり保つのが優先でした」
夫はひたすら謝ってきたが、夫の顔を見ると怒りとショックで体が震えるようになった。距離を置こうと別居したものの、どう考えても結婚生活を続けることはできないと結論を出した。現在は離婚協議中で、カナさんと夫、それぞれへの損害賠償も請求する予定だ。

「カナからは長い手紙が来ましたが、読んでから送り返しました。カナの謝罪文に、読んだときの私の気持ちを赤ペンで書き入れて」
もし不倫相手がミズホさんの知らない女性で、短期間のつきあいだとしたら、離婚には至らなかったかもしれないと振り返る。
「でも離婚を決めて、気持ちが落ち着きました。あのふたりによって、私が自分の存在価値を不安に思うなんておかしな話。私は私で子どもと一緒に生きていく。今はそう思っています」
離婚によって、またひとり「自分らしさ」を取り戻した女性が増えた。
<文/亀山早苗>
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