こうしたことは一般にもときどき見られる。ミズホさん(仮名・33歳)もまた、産後半年ほどで夫が不倫をしていることを知った。しかも相手は、ミズホさんの友人・カナさん(仮名)である。
「何重にもショックでした。彼女は学生時代からの友人だし、私が結婚を決めたとき、真っ先に彼を紹介したほど仲良しだったんです。誰よりも大事な存在だと思っていたのに、結婚直前から2人の関係は始まっていた。
夫が言うには、結婚直前にカナから連絡があり、『あなたが独身のうちにどうしても一度、ふたりきりで会いたかった』と言われたそうです。そんな言葉に乗る夫も夫ですが……」

写真はイメージです(以下同じ)
そこから夫とカナさんはつきあうようになり、1年後にミズホさんが出産したとき、夫はカナさんの家にいたとあとからわかった。
「でも出産時に夫は、出張で帰れないと嘘をついていたんです。カナにも知らせたくて連絡したけど、『父親が倒れて、今、実家近くの病院にいる』と。心配していたんですよ。でも親の病気も嘘だった」
翌日、ようやく病院に現れた夫に、ミズホさんはカナさんのことも告げていた。「お父さん倒れて大変みたい。何かあったら手伝ってあげてね」とも言い添えた。
「バカみたいですよね、私。ふたりが一致団結して私を騙しているのに、私は夫の出張を信じ、カナの嘘を信じ、さらに夫にカナを助けてやってほしいとまで言っていたんですから」
ミズホさんが疑惑を抱いたのは、退院直前、カナさんがやってきたときだった。彼女はどことなくやつれていた。ミズホさんは心配したが、「親のことと仕事で疲れ切っちゃって。来るのが遅くなってごめんね」とカナさんは無理に明るく振る舞っているように見えたという。
そこへ夫がやってきた。その瞬間、親友と夫の視線がねっとり絡みつくように交わされたのをミズホさんは見逃さなかった。
「まさかと思いました。だけどあり得るかもしれないとも思った。退院後、夫を問いただしたら笑い飛ばされました。あるわけないだろって。でもその後、誰かはわからないけど私のSNSにメッセージがあったんです。『あなたの夫はカナと浮気してるよ、ずっと』って。
カナに電話をかけて聞いてみたら、『あるわけないでしょ』とやはり笑い飛ばしたんです。その言い方が、絶対に否定すると決めていたような感じで、夫が一蹴したときと同じ。ふたりで『絶対に否定しよう』と話あったのではないかと疑いました」