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騙されてAV出演…泣き寝入りが多い性犯罪、なぜ罰せられないのか

専門学校生・女性からの相談事例 「AV出演強要被害」

専門学校生・女性からの相談事例 「AV出演強要被害」

写真はイメージです。

 専門学校生だった女性は通学途中で顔見知りになった男性から、モデルの仕事にスカウトされ、詳しく説明すると言われ事務所に案内された。仕事のために必要だと学生証のコピーと顔写真を撮られた。その後、男性はいなくなり、知らない複数の男女に囲まれて契約書にサインするように迫られた。恐怖からサインするとAV出演に同意する契約書だった。その契約書によるAV出演を強要された女性は、ある日、ネットオークションに自分が出演した作品が出品されていることが分かり愕然。友達に知られたらという混乱した思いでライトハウスに相談した。 【支援とその後】  ライトハウスは女性と面接を重ねて、同意を得て連携している弁護士と相談。出品の事実を調べて販売会社と交渉し作品販売を中止させた。女性はひとりで立ち向かうには、あまりにも精神的負担が大きすぎたが、ライトハウスと一緒に行動することで勇気づけられて、何とか行動できたと話している。

性犯罪は立証するのが難しく、泣き寝入りする被害者が多い

――20代、30代は大人ですが、彼女たちはまず警察へ行かないのでしょうか?
性犯罪は立証するのが難しく、泣き寝入りする被害者が多い

「ライトハウス」の平岡さん

平岡さん「多くの女性たちは相手との関係性により、警察に行けないことが多いんです。また、先日は、警察に行ったけれどもきちんと対応してくれなかったという相談もありました」 ――それはどういうことですか? 平岡さん「女性警官の言動から『あなたも悪い』と言われているように感じたそうです。警官の質問にすぐに答えられないでいると、『なんで話せないの?』と言わんばかりに威圧的に詰問されたようです。性被害について話す心理的ストレスは相当なものなのに……。そもそも、思い出したくもないことを根掘り葉掘り聞かれるのは、すごく辛いこと。警察へ行って色々と聞かれるのが嫌な女性たちが、ライトハウスにLINEで相談してくるわけです。LINEなら答えたくなければ答えなくても良いですし、ライトハウスも『言いたくないことは話さなくてよい』というスタンスでいます」 中村さん「日本では、性行為を犯罪として処罰するには、相手が同意していないこと』に加えて、『加害者が被害者に暴行や脅迫を加えて、抵抗できない状態につけこんだ』ことを、被害を受けた側が証明しなければいけません。体に傷が出来ていないとなかなか立証できないのです。警察へ行っても起訴できるかどうかもわからない……。確証もないうえ、様々な理由や制約から警察への相談はハードルが高いのが現状だと思います」
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警察にたどり着ける人は氷山の一角
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