「学校にバレたら大変だよ」と脅され、自分を責める子どもたち
――警察に行きたくない子どもたちの理由は何なのでしょう?
池田さん「大ごとにしたくない、家族に迷惑をかけたくない、
学校に知られたら指導されるのではないか、受験が駄目になっちゃうのではないか、などです。彼らは自分が被害者だという認識よりも、自分が悪いことをしちゃったという自責の念を感じ、自業自得だと思い込んでいます」
中村さん「だからまず、ライトハウスでは、『
あなたたちは被害者だよ、悪くないんだよ。相手が犯罪をして加害行為をしているんだよ』というところを理解してもらえるように会話を続けていきます。そうでないと支援につながりませんから」
――そういう風に伝えると大体の子どもたちは理解してくれるのですか?
平岡さん「そう簡単でない場合も多いですね。というのも加害者が『君がこの裸の画像を送ってきたんだ。君が悪いことをやっているんだよ。
君が犯罪行為をしているんだから、学校にバレたら大変だよ。警察に捕まるよ』と被害者を言いくるめているんです。非常に巧妙で洗脳に近いですね」
――10代のなかでも相談する未成年者の年齢は何歳ぐらいが一番多いのですか?
中村さん「中学生が多いです。2019年は高校生、2020年は中学生が多かったです。さらに、以前は小学生からの相談は殆どなかったのですが、
最近は10歳から12歳くらいの子どもたちの相談も増えてきました」
――保護者を通さずに相談してくるのですか?
池田さん「はい。子どもたち自身がLINEで相談してきます」
中村さん「でも小さな子どもたちは相談が続かない場合が多くて……」
平岡さん「以前、小学校高学年と思われる子から、アプリで出会った男の人と性行為をしてしまい、それを動画に撮られて、その画像を盾に性行為を強要されているという相談が入りました。でも、その子とは連絡がつかなくなって…。LINE相談だと連絡が途絶えてしまうことも多いので、その辺は難しいです」
近日公開予定の後編「子どもたちの自画撮り被害」に続きます。
<取材・文/此花わか>
此花わか
映画ジャーナリスト、セクシュアリティ・ジャーナリスト、米ACS認定セックス・エデュケーター。手がけた取材にライアン・ゴズリング、ヒュー・ジャックマン、エディ・レッドメイン、ギレルモ・デル・トロ監督、アン・リー監督など多数。セックス・ポジティブな社会を目指してニュースレター「
此花わかのセックスと映画の話」を発信中。墨描きとしても活動中。twitter:
@sakuya_kono