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“コロナワクチンで不妊・流産”はデマ。嘘の見分け方を医師が解説

妊婦さんの体への影響も検証済

妊婦さんの体への影響も検証済「さらに、今回の情報がデマであることは、現在はすでに検証されています。まず、コロナワクチンを打った妊婦さんの追跡研究の結果があります。妊娠中の体の不都合や、産まれたお子さんに起こる問題が、ワクチンを打っていない人と打っている人で、発症する確率が全然変わらなかったのです。ですから妊娠中の方が打っても大丈夫だろうと言えます。(※参考文献「N Engl J Med 2021; 384:2273-2282」)  そして、コロナワクチンの臨床試験を受けた方でも、その後妊娠した方はたくさん確認できています。なので、完全に妊娠しなくなるようなことはないと、確実に証明されています。これらの情報から、このワクチンによって不妊になる、妊娠に影響があるといったことは全く根拠がない、感情に訴えるデマでしかないということがはっきり分かると思います。  今後も常に、製薬企業や外部の科学者が検証を続けますし、もし科学的に妥当なクレームが出てくれば、科学者がしっかり指摘してニュースになります。ですから、公的団体が注意を出さない限りは、こういったデマは、『何を言ってるんだ』と笑って却下してまったく問題ありません」

そもそも避妊薬を作るのは難しい

そもそも避妊薬を作るのは難しい池田「科学者がしっかりとモニタリングをしているので、何か起こったら皆さんにすぐ知らされるということですね。ファイザー社やモデルナ社のワクチンを打った直後に妊娠された方もいますし、不妊になることはありえないと」 「もう1つ追加しますと、避妊薬って作るのが結構難しいんですよ。経口避妊薬(ピル)、緊急避妊薬(アフターピル)や、海外では注射で打つ避妊薬、肌にパッチで貼る避妊薬もあります。これらはホルモンの状態を変えることによって妊娠しないようにするのですが、少量で効果が長続きする薬は今のところ作れていないんです。しかも薬によっては、避妊に失敗して妊娠しちゃうことがあるんですね。つまり、薬によって完全に妊娠を防ぐのは、ほぼ不可能だと分かっています。  ですからワクチン1回か2回、しかもすごく少ない量で、妊娠を阻害することは、ほとんどないと考えていいと思いますね」 池田「今まで知られている他のワクチンで、不妊を起こすようなワクチンはありますか?」 「ないですね」
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「肌が触れると妊娠するって本当ですか?」
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