「ここ一年で体重が8キロ近く増えてしまって。妻のK美(35歳)にダイエットして元に戻さないと離婚するよと嫌味を言われたので、重い腰をあげてウォーキングを始めたんですよ」
会社から帰宅し、夕食までの時間にトレーニングウエアに着替えて近所を歩く事にしたM彦さん(37歳・メーカー勤務)。

「とにかく毎日ウォーキングする習慣をつけなくちゃと思い、歩くのが楽しいコースを探したんです」
王道のコースといえる公園や、川沿いの遊歩道は退屈だと感じたM彦さん。
「ちょっと離れた所にある商店街を眺めながら歩くのが楽しくて、このコースに固定したのですが、ちょっと問題があって…」
さて、何があったのでしょうか?
「肉屋さんで揚げたてのコロッケをつい買ってしまって…で、隣のパン屋さんのパンに挟んで食べたらめちゃくちゃ美味しくてハマっちゃったんですよね」

それ以来、立ち食いそばや、ハンバーガーなどすっかり間食するクセがついてしまったM彦さん。
「ダイエットのためにウォーキングしているのに、全然痩せないどころか返って太ってきている僕を見ておかしいなと思っていたK美が、この僕の秘密に気がついてしまって」
ある日、商店街でコロッケパンを食べて帰宅したM彦さんが、夕食にコロッケを出された時に特に何のリアクションもせず食べ始めたら…。
「K美に『何か食べてきて、お腹いっぱいなんじゃない?M彦がコロッケでテンション上がらないなんてあり得ないし』と言われてハッとしてしまいました。僕ってホント食いしん坊で恥ずかしいなって」
なし崩し的に白状してしまったM彦さんは、妻に「私とそんなに離婚したいの?」と相当怒られてしまったそう。
「今度こそ絶対にダイエットして元の体重に戻すから、と約束してようやく許してもらいました。もうウォーキングはいいからスポーツクラブに通えと言われて入会手続きはしたのですが…」
「スポーツクラブに行くと家を出て、またあの商店街に行く日がたまにあって…これがバレたらホント離婚かもしれません」と苦笑いするM彦さんなのでした。
【他のエピソードを読む】⇒
「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ
<文&イラスト/鈴木詩子>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
@skippop