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精神科に入院する私に、母は「近所の人に…ねぇ」。うつ病への偏見は自分の中にも

偏見を正す世界的活動

 入院してから知ったのですが、「アンチ・スティグマ・キャンペーン」という活動が今広がっているそうです。 「スティグマ」とは牛や奴隷に焼きつけられた刻印のこと。「アンチ・スティグマ・キャンペーン」は、精神障害に対する偏見や差別に対して適切な理解や態度を求めるものです。  例えば、精神障害者が安易に犯罪と結び付けられてしまったり、精神科病棟を持つ病院が建つことさえ周辺の住民に嫌がられたり。これらに対して正しい知識を提供することを目的としています。 花 植物 自然 成長 癒やし 時代も国も超えて問題になっているという精神医療に対する偏見。なるほど、精神を病むのは恥ずかしいと考えるのは、引いてはこうした考え方に加担しているのかもしれません。  とは言え、かわいそうな人だとあまり腫れ物に触るような扱いをされても辛いのですが。やはり“普通の人”として接してもらいたいと思ってしまいます。

実際に人に話してみたら

 そんな思いをぐるぐる巡らせていたら、入院していることを人に知られる機会が訪れました。  必要があってえいやっと話したのは、仕事でお世話になっている年配のカメラマンさん。どう受け取られるか内心ヒヤヒヤしていたのですが、杞憂(きゆう)に終わりました。すんなり受け入れられ、「どこの病院なの~?」とまるで通っている皮膚科でも聞くような調子。  私はすっかり肩の力が抜けて、入院の経緯を世間話のようにぺらぺらと話してしまったのでした。 ファミレスで女友達と また、この記事を執筆するにあたって、担当編集者の方にも説明することになりましたが、実は精神疾患を抱えた人はこの業界にも多いらしく、私の現状に理解を示す温かいお言葉を頂くことに。嬉しくも拍子抜けしてしまったのです。  「うつ病は甘え」という考え方がまだまだ蔓延っていると聞きますが、案外社会は心を患う人に対して優しくなりつつあるのかもしれないと思ったのでした。 【他の記事を読む】⇒シリーズ「ルリ子の精神科入院手記」の一覧はこちらへどうぞ 【他のエピソードを読む】⇒「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ <文/カンザキルリ子>
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