
普段はナンパも無視するし、マッチングアプリなども利用していないという朱莉さん。このときはなぜか、初対面の相手に警戒心を持たずについて行ってしまいました。
「本当に、魔がさしたとしか言いようがないんですよ……」
朱莉さんは、ちょうどその頃、誕生日が近づいてきていて、32歳になるのが憂うつだったそうです。
「子どもが欲しいので、なんとなく34歳までに結婚がしたいって思っていたんです。でも逆算するともうそろそろ結婚しないとヤバイ。でも、なんだかすっきりとしないというか。聡君のことは好きだったのですが、もっと他の人とも付き合ってみたいっていう欲がわいてきたんですよね」
自転車置き場で出会ったNさん(仮名)は、知り合いがかぶっていなかったのもポイントだったそうです。
「彼とは、まったく共通の知人もいないし、職業も違う。これならバレる可能性も少ないかなと思ったんです。Nさんは休みの日が土日ではなかったので、平日の夜に会っていました。会うといつも全部おごってくれて、話も面白い。一緒にカラオケに行った時ときに、勢いでキスしてしまってから、男女の関係になりました」

そこまで親密な関係になったにもかかわらず、Nさんとは「つきあおう」という話が出なかったと言います。
「彼女はいなかったようですが、私からは好きとも、付き合おうとは言いませんでした。なんとなくノリもあったし、向こうは彼氏みたいな気分でいたのかもしれませんが……」
朱莉さんは、休みの日には本命彼氏である田中さんと会っていました。あるとき、田中さんが朱莉さんの地元に遊びに来る機会があったのですが、なんと、ばったりNさんと飲食店で遭遇してしまいます。
「地元は、お酒が飲めて美味しい店が限られているので、うかつでしたね。向こうは気軽に話しかけてくるし……。気まずくて素っ気ない態度をとると、『僕は君にとってそんな扱いなの?』と言われてヒヤヒヤしました。その後も、音楽フェスで大勢の人がいる中で遭遇したこともあって『急いでいるからじゃあね』と言って逃げました」
朱莉さんの火遊びは、鉢合わせという最悪の事態になったようです。これに懲りて、Nさんの連絡先を完全に消して、会うような場所には近づかないようにしたそうです。皆さんも、結婚前の“遊びの恋愛”にはくれぐれも気をつけてくださいね。
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<取材・文/阿佐ヶ谷蘭子 イラスト/ただりえこ>