逢坂くんは春画師として、“女人にのしかかる大ダコ”の絵をよく描いていました。しかしながら、“まん画”に比べてエモさに欠ける……という悩みに、師匠の宮上は、「“どうしてそうなったのか” “何があったのか”を書いてみては」というヒントを与えます。
結果、床に転がったタコ壺や、はだけて落ちた女人の帯を描くことで、絵に活き活きとしたエロみが加わったのです。師匠のアドバイスに感激する逢坂くん。これは、弟子の才能を引き出すよき指導者による、美しい導きの姿でした。
世の中には、「出る杭は打つ」とか「才能の芽は早めに摘んでしまえ」とか、こすっからい心持ちの上司もいましょうが、正しき師弟愛はエンタメの世界を豊かに広げていくのだと思います。
逢坂くんは、「絵は写真に勝てないのか?」といった問いにも、人と触れ合いながら答えを見つけていきます。人に敬意を持ち、他人を責めるより「自分が悪かったのでは」と内省する彼の純粋さが、相手の心をほどき、“おたがい大切にし合う”関係にもつながっているようです。
“大切”といえば、オープニングからふんどし一丁で縛り上げられた逢坂くんのビビッドなボディを見せていただけることも、視聴者として「大切にされている!」と感じます。
さらには、やはりふんどし姿の森本慎太郎さんと相撲を取るシーンなどもあり、そのサービス精神には涙を禁じ得ません。
逢坂くんが“まん画道”を極める日を、楽しみに見つめていきたいと思います。
<文/みきーる イラスト/二平瑞樹>