ずっと同じものでも構わないのですけれども、メガネもモノなので時々壊れます。そのたびに新調するわけですが、2000年を過ぎたころから、セルフレームはどれも縦幅が小さくなってしまって、理想の形を見つけられず、妥協して買って、気に入らないままメガネをかけていた時期がありました。
好きなものが決まっていると、時たまこのように、なかなか自分の好きなものに出合えない時期が訪れます。これはメガネだけではなく、靴の形、スカート丈など、あらゆる面において起こり得ます。
とりあえずあるもので妥協するか、好きなものと出合うまで探し続けるか、どちらでも選べます。

グッチ(GUCCI)のメガネフレーム
このメガネは、私の好きなタイプが多く市場に出回るようになった2年ぐらい前に買ったグッチのもの。理想の形に近く、かけ心地もいいので選びました。妥協していた時代が終わって、やっと自分の感覚になじむものに戻れました。

本当に自分が好きと思えるものはいつの時期も、またどこにでも売っていないものです。流行の影響を受けて、多くのものが変化するものだということを、大人になればなるほど学ぶでしょう。

自分の好きと流行と、妥協してもいいものと譲れないものと、これらのバランスのとり方がその人のスタイルを作ります。ぶれない支点と、揺れる部分と、うまくバランスがとりながら、変わっていく流行を楽しんでいきましょう。
<文/小林直子>
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