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「男子が、怖いです…」カースト底辺のオタク女子。ハッピーエンドのきっかけは

 女子SPA!の編集者・黒塩です。今でこそ婚活や不倫の記事に日々携わっていますが、むかしは中高一貫して病的なまでに男子が苦手でした(以下、そんな私の昔話です)。
スクールカースト ピラミッド

写真はイメージです(以下同じ)

=======  小学校までの「おともだち」とは男女問わず普通に仲良くしていたはずだが、どうやら赤い実のはじけどころが悪かったらしい。セーラー服を着始めた途端に、私の「思春期」はこじれ出した。男子という生き物が怖くて、近づけなくなってしまった。  通学路で同級生の男子を見かければルート変更したし、男子への業務連絡ですら教師か女子生徒を間に挟まないと無理だった。冷や汗ダラダラになり、まともに会話できなかったからだ。

「カースト上位の人たち」から身を隠す毎日

「スクールカースト」という言葉は大人になってから知ったが、間違いなく10代の私はその底辺にいた。男の子も、華やかな女の子も、私のような人間が口をきいてはいけない、雲の上の存在。彼らと目を合わせないように、教室の隅で気配を消していた。  そんなステルスゲーム*のような学校生活に疲れてなのか、途中から二次元の世界にハマった。持て余していた休み時間は、ラノベ*を読んで、ノートを隠しながらこそこそ絵を描くのが定番。当時の私はよく「等しく滅びを与えんことを……」と独りで暗唱していた。ある界隈で有名な呪文である。おかげで数人のオタク仲間(女子)はできた。 *ステルスゲーム:敵に見つからないよう隠れて行動することを目的としたゲーム *ラノベ:ライトノベルの略。SFやファンタジーなどを軽い文体で書いた小説  ちなみに30歳になってから15年ぶりに当時の同級生と再会したが、何人もの人から「え、黒塩さん? そんな人いた?」「同じクラス? いや絶対ちがうでしょ」などと言ってもらえた。私が14、5歳にして、完全に気を消すことに成功していたのがおわかりいただけただろうか。 オタク 中高で青春をスキップしてしまった私の生き甲斐は、三次元では学問に精を出して成績を上げることくらしかなかった。「男子が怖いから」という理由で塾にも通えず、教科書と某通信教育で勉強した。学校生活で嬉しかった思い出といえば、定期テストで数え切れないほど体験した「ゼミでやった問題だ!」くらいだ。

進学で上京。“私なんか”の居場所はあるんだろうか

 ガリ勉の甲斐あって、志望していた都内の大学に合格した私。入学を控えた高3の春休み、ある大切なことに気がついた。  受験勉強に必死で考えたことがなかったが、これからは、テレビの中でしか見たことのない「東京」で暮らすことになるのだ。田舎の教室にすら居場所のなかった私が。 「地味にしてたら変に目立って、都会のヤツらにいじめられるのでは?」  ただただ大学で浮きたくないという一心で、雑誌を読みあさり、服を買い、化粧をし、髪を染めた。それまで校則を律儀に守ってノーメイクを貫き、放課後は制服か学校指定ジャージを着ていた私が、いきなり“派手めな女子大生”になった。知り合いが誰も見ていないという状況は、人を大胆にする。  今になって当時の写真を見返すと、いかにも付け焼き刃で、田舎者丸出しな空振り具合なのだが、写真の中の私はとっても満足げで幸せそうだ。「外見をよく見せようと必死になってみる」という経験が、心に効いた。
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「地味女が色気づいてンじゃねえよ」
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