ある日、市川さんの一人目の夫Aが心臓発作で他界したとの連絡が届きました。偶然と思いたいところですが、その直後から当時の夫Bの様子がおかしくなったといいます。
「一人目の夫Aが亡くなった数週間後に、Bが仕事に行かなくなりました。明確な理由はわからないのですが、急に怒鳴ったりものを投げ出して暴れたり、とにかく人格が豹変したようでした」
Bは精神科の医師により、うつ病と診断されました。仕事を辞め、家にこもるようになったため、市川さんは最小限の生活費だけでも稼ごうという思いから、昼間から夜、そして深夜から朝までと、バイトを掛け持ちして働いていました。
夫Bの症状は悪化し、市川さんへのDVは加速していきました。
「ある日、料理をしないBがいきなり包丁を研ぎ出したのです。何も起こりませんでしたが、衝動的な暴力、暴言が著しかったこともあり、最悪の事態も考えるようになりました」
市川さんはBを病院に連れて行くこともできず、友人に相談することにしました。
「友人からは、一人目の夫Aの霊がついている可能性があると言われ、知り合いの占い師を紹介されました」
まさかとは思いつつも占いに行くと、驚きのことを伝えられます。
「夫Bには、死んだ元夫Aの霊がついていると言われたのです。そこでお祓いをしてもらうと、信じがたいのですが夫Bは落ち着きを取り戻しました。以前のように暴力を振るうことはなくなりましたが、暴言は続きました」
暴言を吐かれる市川さんの姿を日々見ていた子どもたちから「一緒に住めない」と伝えられ、市川さんは子どもの意思を尊重し2度目の離婚を決意。
シングルマザーとして子どもたちを守る覚悟をし、経済的にはギリギリながらも、以前よりは平穏な生活を過ごしています。
【他の回を読む】⇒
「お金がない…女の生活苦シリーズ」の一覧はこちらへ
【他のエピソードを読む】⇒
「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ
<取材・文/Honoka Yamasaki>