次に、子どもが食べ物等を詰まらせてしまったときの応急手当について、消費者庁の同資料と東京消防庁「
STOP!子どもの窒息・誤飲」から紹介します。
苦しそうで顔色が悪く、泣き声も出ないときは気道異物による窒息の疑いがあります。
様子がおかしいと思ったら、すぐに救急要請(119番)し、指示を仰いでください。
窒息後、5~6分程度で呼吸が止まり意識を失い、心臓が止まり、大脳が障害されます。成人に比べて乳幼児は酸素不足に対する耐性が低いため、低酸素症が重篤化しやすいと言われています。救急車が到着するまでに心停止に至らないよう、迅速な処置が必要です。
応急手当の方法は下記の通り。1歳未満と1歳以上では、手当方法が異なるので注意が必要です。消防署等で救命講習が実施されているので、ぜひ受講しましょう。
反応がある間は頭側を下げて背部叩打と胸部突き上げを実施します。乳児では腹部突き上げは行いません。

乳児に対する背部叩打と、胸部突き上げ
■背部叩打
片方の手で乳児のあごをしっかり持ち、その腕に胸と腹を乗せて頭側を下げるようにしてうつ伏せにし、もう一方の手のひらの基部で背部を力強く4~5回力強く迅速にたたきます(図 21)。
■胸部突き上げ
片方の腕に乳児の背中を乗せ、手のひら全体で後頭部をしっかり持ち頭側が下がるように仰向けにし、もう一方の手の指2本で両乳頭を結ぶ線の少し足側を目安とする胸骨の下半分を力強く数回連続して圧迫します。乳児を腕に乗せて心肺蘇生のときと同じ方法で胸骨圧迫を行います。