スプーンですくったときの感触としては、スーパーカップのほうが軽くて柔らかい。プレミアムは“しっかりかため”を強く実感します。これはおそらく製造時の空気含有量によるもので、スーパーカップはふわりと軽いくい口溶けを目指しているように感じます。
プレミアムはその対極にあり、コクのある風味を実感しやすいようにやや濃密に作られているのがわかります。
両者を食べてみて感じたのは、プレミアムはものすごくシンプルで素材本来の風味で作られていること。スーパーカップはバニラ香料などを駆使して“わかりやすいフレーバー”に調合していること。
つまり、プレミアムが単に濃厚味として結論づけるのは間違いで、風味、食感、食べ心地などのあらゆる側面で追求されたアイスであることが想像できます。それではもう少し具体的にアイスの「バニラ感」を追求するために、他の商品も加えて比較してみることにしましょう。
一番近いのは「ハーゲンダッツ」だった!その違いとは

(左から)プレミアムアイスクリーム、ハーゲンダッツバニラ、レディーボーデンバニラ、エッセル スーパーカップ 超バニラ
プレミアムアイスとして愛されるハーゲンダッツ、レディーボーデンを加えて、4者で比べてみましょう。まずはアイスの“色味”を比較したところ、プレミアム→ハーゲンダッツ→レディーボーデン→スーパーカップの順に黄色味が強くなることがわかりました。
そして味。明治プレミアムがいったいどれに近いのか? 食べてみたらその答えはすぐに出ました。「ハーゲンダッツ」にもっとも近かったのです。以下、4者の主な感想です。
・ハーゲンダッツ
想像していたよりも上品でシンプルな風味。バニラの香りが心地よく、ミルクの濃厚さを味わえる。
・プレミアムアイス
ハーゲンダッツに近い味わい。違いは、後味にあり。バニラの香りはやや弱く、ミルク本来の風味が口の中で優しく広がる。
・レディーボーデン
バニラアイスのコクや甘みがわかりやすく感じられ、華やかなリッチ感を手軽に味わえる強い個性を持っている。他のアイテム(シリアル、ケーキなど)と合わせても負けない存在感がある。
・スーパーカップ
バニラ感が強く、さっぱり感と軽やかさが魅力。食感としてのシャリ感もあり、200mlのたっぷりサイズでも難なく食べ切れてしまう。
つまり、ハーゲンダッツが好きな人には、新たな選択肢としてイチオシだということ。バニラ感を重視するならハーゲンダッツ、ミルクの風味を重視するならプレミアムでしょう。
また、同量で比較するとプレミアムのほうが安くなるため、1個を食べ切るのではなく、何度かに分けて食べる人にとってはプレミアムも決して高いとは言い切れないことになります。
今回食べ比べをしてわかったのは、これまでバニラアイスを想像(イメージ)や期待で食べていることが多く、実際食べ比べしてみることで持っていたイメージとのギャップを発見できるということ。これは実に面白いなと感じました。
さあ改めて、バニラアイス。皆さんはどれを選びますか?
【画像をすべて見る】⇒
画像をタップすると次の画像が見られます
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>