
ネココ
――この作品ではネチコヤン(猫)たちのことを「ときどき猫じゃなくなる」「タンスの裏で出汁巻き卵になっていた」と描かれているのですがどういうことなのでしょうか?
もちぎ:猫は体が柔らかい生き物なので手足が見えないくらい丸っこくなっていたり、自分の居たい場所に合わせて柔軟に体の形を変えるんです。だからタンスの裏に挟まって、卵焼きみたいな形になっていたんだと思います。ちょっと得体の知れないところがあるけど、それが可愛いなと思ってます。
――最近も「猫じゃなくなってるな」と感じた出来事はありましたか?
もちぎ:ネココがストーブをつけるようになりました。「ピッ」て(笑)。石油ファンヒーターの電源ボタンの位置を覚えたのか、勝手に乗っかって押すんです。
――すごい進化ですね(笑)。
もちぎ:でも人間が勝手にそう思っているだけなんですけどね。皆「うちの猫は喋る」と言うんですよ。「『ママ』って言ったわ!」とか言うんですけど、愛し過ぎて勘違いしているんだと思います(笑)。それが行き過ぎて「猫ちゃんが『服ほしい』って言ったから着せてあげるの」とかになるとちょっと痛々しいと思いますけど、ほどほどに親バカするのは楽しいですよね。
――ネチコヤンたちは人間の言葉を理解していると思いますか?
もちぎ:それはありますね。自分の名前は絶対に認識しているし「これは怒っている声だ」「呼んでいる声だ」とか人間の調子も認識しています。でも昔飼っていた猫はそんなこと全然なかったので、その子の性格によるのかもしれません。

ヤンゴトナキ
――最近のネチコヤンたちとのお気に入りの過ごし方はありますか?
もちぎ:今大学に通ってるんですけど、コロナでオンライン授業だったり、仕事もリモートワークなので家でYouTubeや映画を観ていることが多いんです。
だからネチコヤンにも見せておこうかなと思って、YouTubeで野鳥動画とかを見せてます。画面に飛びついたりして、すごく食いつきます。おもちゃも買ってあげたりするんですけど、1匹1匹好き嫌いがあったりマイブームがあったりします。
――今は何で遊ぶのがブームなんですか?
もちぎ:3匹とも買ってあげたおもちゃよりも、パーカーの紐のほうが好きだったりするんです。やっぱり猫って自由気ままなんだなと感じます。
人間が付き合ってあげると意外に遊んでくれるんですけど、毎回パーカーの紐で遊んでいると、紐がついている服全部に反応するようになってしまっています。周りの猫を飼っている人からも「猫はしつけのできない生き物」とよく聞くんですが、確かにそうだなと思います。
iPadの充電ケーブルで遊んだり危ないこともするので、丈夫なケーブルに買い換えたりしてますね。しつけができない代わりに人間が生活を猫に合わせて折れないといけないですね。
――もちぎさんは猫たちと遊ぶのは好きですか?
もちぎ:「遊んでほしいな」と思うときはあるんですけど、猫ってそういうときは大体遊んでくれないんですよ(笑)。人間同士でも常に波長が合うことはないと思うので、「猫も人も同じだな」と思って過ごしてます。