これ、終わるの…?「慣らし保育」親の葛藤を描いた漫画に共感の声。作者を取材<漫画>
帰り道、堪えていた涙が溢れた
――慣らし保育はどのように進んでいきましたか? 初日は1時間45分、その後はお昼ご飯前までが数日、お昼ご飯を食べたら帰宅が数日、残りの日数はお昼寝をして15時頃まで。熱で休んだり、漫画で描いたように目標時間まで持たずにお迎え要請の電話が鳴る日が多かったので、延長されました。無理はさせず、子どもに合わせてゆっくり慣らしていきましょうという方針の園だったので安心してお任せできました。私の仕事も融通がきいて、慣らし保育終了後からの復職にしてくれていたので、ゆっくりと娘と慣らしていくことができました。 ――慣らし保育の状況によって、復職のタイミングを調整しなくてはならないこともありますよね。 なかなか慣れない我が子に可哀想なことをしてしまっているような罪悪感を感じていましたが、少しずつ泣かずに過ごせる時間も増えてきて、ゆっくりとでも日に日に確かに慣れてきている様子を見て、小さいながらも頑張ってくれている娘の成長に喜びを感じました。こんなに頑張ってくれている娘のためにも、私も仕事に復帰してからしっかりがんばろうと思いました。 ――娘さんの頑張る姿がりりーさんの励みになったんですね。慣らし保育期間中、一番ツラかったことはなんですか? 朝、保育園の玄関に着くと置いて行かれることを察した娘が靴を脱ぐのを拒否して、私から離れようとせず激しく泣かれるんです。できることなら私も保育園で娘と一緒に遊びたいと何度も思いましたが、それは無理なので、しがみつく娘を先生にさっと引き渡して、泣き声に後ろ髪を引かれつつも、ササッとその場を去っていました。それが一番ツラかったかな……。別れ際を長引かせると余計に泣かせてしまうので、すばやく去ったほうが子どもにもいいそうなんです。慣らし保育初日、思ってたんと違うところで泣きました。#育児絵日記 #育児漫画 #ほっぺちゃん絵日記 pic.twitter.com/QMpHLyaGxB
— りりー@ほっぺちゃん2y (@riri_hoppe) April 9, 2021
今では「たのしかった!」と言える場所に
――逆に、慣らし保育で良かったことは?
娘のいないひとり時間に、家の中の整理など復職前にやっておきたかったことができたことです! 娘が生まれてからずっと四六時中、娘を気にした生活を送ってきたので、娘のいない束の間の時間にやりたいことがやりたいようにできることに感動しました。
――漫画では、ある朝娘さんが自ら先生に抱かれにいったことが描かれていました。そのときの心境はどうでしたか?
本当に驚きました。娘の成長が嬉しいのと少し安心したのとで、家への帰り道ひとりでちょっと泣きました。先生が安心できる存在になってきたみたいで、保育士さんってすごいなぁと。先生ありがとうございます。慣らし保育はその後もう1日あってから終了しました。
――保育園の先生たちに思うことはありますか?
全クラスを見ている主任の先生が慣らし保育期間中は毎朝玄関に立っていて、会うと娘の園での様子なんかを話してくれてたりして、子どもひとりひとりをちゃんと見てくれているんだなと安心できました。不安な親の気持ちまで気にかけてくれているのを感じて信頼感がありました。クラスの先生方も、娘が寂しくならないようにずっと手を繋いでくれていたりして、本当にありがたかったです。
――最後に、今まさに慣らし保育に奮闘するママ・パパたちにメッセージをお願いします
なかなか慣れなかった娘も、今では「保育園どうだった?」と聞くと「たのしかった!」と教えてくれます。新しい環境は子も親も不安でいっぱいですが、時間と先生に思い切って身を委ねてみるといいと思います。無理せずさせず、ゆっくりと慣れていきましょう!
<取材・文/キンミヤ>


