一方で、『はじめてのおつかい』が世界配信されることで「
日本の子供がペドフィリア(小児性愛者)のターゲットにされるのでは?」と警戒する声も、少数派ではありますがネットに上がっています。
アメリカ在住の筆者の友人は「チャーミングなコンセプトだし、日本の日常風景が垣間見られる点でも、世界配信は素晴らしいことだと思います」と、『はじめてのおつかい』の世界配信を支持した上で次のように語りました。
「日本を訪れた時に、一人で地下鉄に乗っている子どもや保護者不在で遊んでいる子供たちを何度も見ましたが、
日本では本作と同じように周りの大人がちゃんと気をつけて子どもを見張っているように感じました。だから世界配信のニュースを聞いても、ペドフィリアが日本に押しかけるなんて心配は全く浮かびませんでした」
「世界配信には賛成ですよ」と言う日本在住歴10年以上のイギリス人男性は、本作が世界にいい影響を与えることに期待しているといいます。
「子どもが安全に遊べる環境づくりや地域ぐるみで子どもの面倒を見ていく取り組みについて、他の国でも議論するいいきっかけになるかもしれません。『はじめてのおつかい』を観ると、日本では人々が子供たちの安全に気をつかっていることが分かりますからね。ショーに触発されて日本へ子供を誘拐しに来る犯罪者がいるとは思えません」
スイス出身の女性によると、ヨーロッパでは今も多くの子供が誘拐され、「幼い子供を一人にするなんてあり得ない」が一般常識なのだとか。彼女自身も9歳になるまでは一人で行動したことがないそうです。
『はじめてのおつかい』の世界配信によって、日本の安全性がより強調されたように感じます。
Source:「
The New Yorker」 「
Hello Magazine」 「
The Guardian」
<文/橘エコ>
橘エコ
アメリカ在住のアラフォー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中。