妻への不倫疑惑「本当に自分の子なのだろうか」DNA検査結果を見せると妻は…
配偶者の不倫が人生を思いがけない方向へ急転させることがある。許せずにすぐ離婚する人もいるだろうし、再構築を目指す人もいるだろう。だが、選択肢が見つからず、許したわけではないが同居せざるを得ないというケースもある。
「結婚して13年になります。妻とは大きなケンカをしたこともないし、ずっと幸せだった。だからここ1年のできごとが自分でも信じられないんですよ……」
憔悴(しょうすい)したようにそう言うのは、ヒデキさん(42歳)だ。仕事関係で知り合い、20代半ばからつきあっていた同い年のユウカさんと結婚したのは29歳のとき。30歳で長女を、4年後に次女を授かった。
「共働きで育ててきました。妻はおっとりした性格で、声を荒げることなどめったにない。
僕が異動になってひどく忙しかった時期があり、何もできなくてごめんねと言うと、『私は家庭優先、あなたは仕事優先でいいからね』と。その後、妻が仕事で多忙になったときは、もちろん僕が積極的に家庭を切り盛りして。うまくバランスがとれていたんです。でもそれはたぶん、彼女が無理してそうしてくれていたんだと思う」
そんな彼女が40歳を目前に妊娠した。今から子育て、大変だなあと一瞬、ヒデキさんは思ったという。だが、「3度目の子育てが楽しみ」と喜ぶ妻の笑顔を見て、「もう一度、がんばるか」と心を決めた。
「3人目は男の子でした。上は10歳と6歳になっていたから、母親が3人いるみたいに息子をかまっているのがおもしろかった。僕も男の子と遊ぶのが楽しみでした。とはいえ、うちは娘たちがふたりともサッカーをやっているので、僕も常に練習にかり出されていたんですが、ますます体を鍛えなくてはと思いましたね」
ただ、息子が1歳になったころ、ヒデキさんは息子にふと違和感を覚えた。言葉にはならないのだが、何かが違う。本当に自分の息子なのだろうか、と。
「あの違和感が何だったのかいまだにわからないんです。もちろん、妻が浮気したとか、そういうふうに思ったわけではない。だけど本当に自分の子なのかと疑惑がわいてきて」
DNAの親子鑑定検査キットを密かに申し込み、会社宛に送ってもらった。妻は産後半年で職場復帰していたから、息子の口内粘膜をとる機会はいくらでもあった。だが、ヒデキさんはなかなか行動にうつせずにいたという。
「でもあるとき息子の笑顔を見て、やはり本当のことが知りたいと検査キットを使いました。半月ほどでメールが来ました。その間、ずっともし自分の子でなかったらどうしようと考えていて、妻に『何か悩みでもある? 大丈夫?』と心配されたりもしましたね。
いざ返事が来たとき、僕、会議中だったんですよ。だけど見てしまった。そして……息子と僕が親子である可能性は限りなくゼロに近いとわかったんです。思わず会議を抜け出してトイレに駆け込み、吐きました。心のどこかで、そんなことがあるはずはないと思っていたんです」
ショックのあまり、その日はどうやって帰宅したのかも覚えていない。
結婚してからずっと幸せだったのに
親子鑑定検査キットを密かに申し込んだが
