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妻への不倫疑惑「本当に自分の子なのだろうか」DNA検査結果を見せると妻は…

心の中が嵐となって

 妻に言うべきか言わざるべきか。ヒデキさんは悩んだ。こうなってみると妻を憎む気持ちはわいてこない。だが妊娠にいたる真実を知ったら恨んだり憎んだりするのかもしれない。妻の反応も怖かったし、自分の感情がどう動くかも予測できず不安が募っていった。 「それでも聞かないわけにはいかないというのが僕の結論でした。結果が出てから1ヶ月近くたっていた。でも娘たちには聞かせたくない。たまたま妻の両親が、娘たちを連れてどこかに遊びに行きたいと言ってくれました。僕らの子育ての負担を考えて、ときどきそういうことをしてくれたんです」  週末、娘たちを妻の実家に送り届け、ヒデキさんは自宅に戻った。息子が昼寝をしたところで、妻に鑑定結果を見せた。 夫婦「正直に言ってほしい。それだけ告げました。妻はじっと結果を見ていましたが、『だまっていてごめんなさい』と。 そこからぽつりぽつりと話したことをつなぎあわせると、僕には何の不満もない。ただ、あるとき取引先の男性に会って心臓が止まるほど驚いたと。その人は彼女の中学時代の初恋の人だった。片思いのまま告白もしなかったけれど、彼は1年生が終わると同時に挨拶もなく越していったというんですね。 それで彼女の心の中には彼の存在が焼きついてしまった。もちろん結婚後はほとんど思い出すこともなかったけど、偶然出会って、また恋心がよみがえった、と」

妻から関係を迫ったことにショック

 だからといって関係をもたなくてもいいだろうとヒデキさんは妻に言った。そうよねと言いながら、妻は自分の気持ちが舞い上がってしまって、どうしたらいいかわからなかった。だから1度だけ関係をもって、初恋にケリをつけたかったのだそう。 「妻から関係を迫ったことにショックを受けました。それほど好きな人だったのか、好きな人がいれば僕や子どもたちを簡単に裏切るのか、と。  そう言ったら妻は泣きながら、『私の13歳のときの大事な思い出なの』と言いました。あなたと知り合う前のことに自分でちゃんと終止符を打ちたかったと。その気持ちはわからないでもないけど、実際に行為に及んだのは39歳の妻ですからね……」 “離婚するしかないの?”と言われたとき、ヒデキさんはドキッとした。離婚などまったく考えていなかったからだ。そういう選択肢があるのかと改めて感じた。 「もちろん、その彼とはそれきり会っていないそうです。たまたま彼が担当を変わって、仕事で会うこともなくなった。妊娠がわかっても彼には連絡をとらなかったと妻は断言しました。そこは信じようと思いました」
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運命として僕らは受け入れるしかない
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