
見た目に大差はないが、味わってみるとその違いに気がつきます。手前がやや赤身多めのもの
大きな違いは、ジューシー感と食感にありました。赤身が厚めに入ったタイプは、赤身ならではの噛み応えをしっかり味わえるものの、食べる人によっては“かたい”と感じることもあるでしょう。
一方、じゅわっと感とともに豚肉ならではのまろやかさやコクを実感できたのは、脂身が全体の半分程度のもの。特に、サシのように細かく入っているタイプがもっともふんわりなめらかな食べ心地を堪能できました。
結論としては、万人受けのおいしさを狙うなら、赤身と脂身は同量(5:5)が良さそうです。ただし食べ方(しゃぶしゃぶ、ブロック肉料理など)によっても正解は変わってきますので、あくまでも“同量は基準”だと覚えておくのがオススメです。
それでは最後に、赤身がボソボソしない!「絶品・ゆで豚」の作り方をご紹介します。
しっとりジューシー!「絶品・ゆで豚」は、豆乳を入れて煮るべし

程よく脂身が抜けた「ゆで豚」
今回は、王道バランスを守り、赤身と脂身が同量の豚バラ肉を用意しましょう。ポイントは一つ。「豆乳」もしくは「おから」をたっぷり加えて煮ることです。1本の豚バラ肉につき豆乳は200ml程度、おからは惜しみなくどっさり加えましょう。お湯で煮たときよりも断然しっとりと仕上がります。
また、味付けのタイミングも大事。ゆでる直前に塩などの調味料を塗り込むと肉がかたくなってしまうのでオススメしませんし、しっかり味付けされた煮汁で長時間加熱するとかための仕上がりになってしまいます。
煮込みが終わる最後の段階ではちみつ(大さじ1)→塩(おおさじ1)を加えて火を止めて、自然に冷ますことでふんわり仕上げることができます。

1本の豚バラ肉につき豆乳は200ml程度使用。おからは惜しみなくどっさり加える。いずれも安価なもので十分
煮込み時間の理想は弱火で1.5時間。火加減に注意をすればほったらかし調理でOKなので、最低でも1時間はコトコト煮るようにしましょう。
脂身が程よく抜けて、ヘルシーなゆで豚が完成します。煮汁は冷やして脂やアクを取り除けば再利用可能。スープやラーメンを作る際のベースにするのもオススメです。
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<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>