ところが、1か月も経たないうちに、再び同じことが起きました。もちろんその日は、
ワンピースを着ておらず、シャツとスカートというごく普通の通勤スタイル。なのにまたしても、席を譲られたのです。

最初は辞退したのですが、結局、2度目はありがたく座らせていただくことに。1度目のとき、私の目の前の席に誰も座ろうとせず、やや微妙な空気感が漂っていたからです。それに譲ってくれた方に対して、
「私、妊娠してません!」と宣言するのも、なんだか変ですし…。
ちなみに、その
約2か月後、私は妊娠。とはいえ、電車で席を譲っていただいたときは、妊娠していることさえわからない状態でした。それなのに、あまりにも不思議な出来事。「もしかして妊娠の予兆だったのかも?」などと勝手に解釈していましたが、思い返すと、過去にも「前例」があったことに気が付きました。
それは、かつてシフト勤務をしていた20代の頃。夜勤を終え、帰宅するために朝の電車に乗っていたときでした。つり革につかまりながらボーっと立っていたら、近くに座っていた会社員風の男性から「座りますか?」と言われたことがありました。その時も丁重に辞退しましたが、頭の中は「?」でいっぱいでした。
今でも、なぜ3回も席を譲ってもらったのか、はっきりした理由はわかりません。ただ、
よくよく考えてみると、昔から「顔色悪いね。大丈夫?」と言われることが多々ありました。どうやら私の顔色は青白く見えるようで、家や学校、職場などで「具合悪いの?」と心配されたり、「朝礼とか電車とかでよく倒れてそうだよね」と言われたりしたことも…。
実際には、朝礼や電車で倒れたことは一度もないし、本人としてはすこぶる元気! なのです。けれども、見た感じ青白い顔色のせいで、私は調子が悪そうに見えるようです。
朝の満員電車では、私も含め「なるべくなら座って、少しでも楽に通勤したい」と考えるのが普通かと思います。けれどもそうした状況のなかで、見ず知らずの他人の体調を気遣って、サッと席を譲る人がいたことに驚きました。体調不良でもないのに譲っていただいて申し訳なかったと感じつつも、あの時のことを思い出すたびになんだかホッコリした気分になるのです。
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<文/青山文>
青山文
某放送局に勤務していたとき、いきなり思い立ってヨーロッパに語学留学。帰国後はウェブ業界に入り、現在は主に海外ニュースの記事を編集&執筆。ときどき話題の商品レビューや子育てにまつわる失敗談なども書いています。反抗期真っ盛りの小学生の息子と日々格闘中。